【幻聴詩】アウトサイダー

 俺たちはいびつで、何に対してもただひたすらに覚束ず、でも自分たちのいびつさがどこかで噛み合って歯車のように機能するんじゃないかって、ずっとそんなことを漠然と思っていた。


 いびつで在ることがかっこいいようにすら、あるいは他の人種よりも優っているようにすら、そんな大きな勘違いが幻だと気づくのに俺たちは随分余りにも長く時間がかかってしまった。


 だからかな、こんな年になってまで、こんなことをまだこんなことをしてる。

 でもとりあえず、俺たちは死んでない。

 それって、いびつな割には誇らしいことだと、俺は思うけどね?



(※電車内、男性の穏やかな語り口調が、ゆっくりとクリアに聞き取れたのでスマホにメモった次第)

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実録テンペスト 〜幻聴詩やら寸劇やら〜 八壁ゆかり @8wallsleft

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