第5話 変化した姿

ヘルゴーストに進化した俺は順調に敵を倒しながら進んでいた。

 初めて会う敵もいて新しいスキルも獲得できた。

 腐食が少なく目が見えているゾンビからは毒耐性中。

 四肢が異常に発達した猿からは身体強化。

 巨大なカニからは水魔法Lv1

 がとれた。


 毒耐性中

 ある程度の毒系効果を無効化できる


 身体強化

 自身の肉体を強化する


 水魔法Lv1

 初級の水魔法が使用できる。Lv1~5まであり高くなるほど高位の魔法が使用できる。


『ようやく攻撃手段がソウルハントだけじゃなくて魔法も手に入ったな。毒耐性も持ってて損はないだろうけど、身体強化は意味がなかったな』


 手に入れてすぐに身体強化を使ってみたが、実体がないからか何も起こらなかった。

 魔法は水が球体状になり相手に向かって飛んでいく水球、自分の周囲を水の膜が覆う水壁が使えた。

 詠唱などはいらなく頭の中で技名を言うと発動できた。


『LvがあるってことはゲームみたいにスキルもLvが上がりそうだな。どうせならLv5を目指したいけど問題はその上げ方だよな...』


 考えながら進むと大きい部屋に出た。


『おおー!めっちゃ広い!』


 これまでの通路や自分が気がついた時の場所より広がった空間だった。


『ゴロッ...』


 奥の方で何かの物音がした。


『なにかいるのか?』


 音のした方向にゆっくりと進んでいく。

 赤い光が見えた。


『光?』


 赤い光との距離を徐々に詰めていくと、1つだと思ってた赤い光が無数の数現れ、徐々に赤い光が近づいてきた。


『ゴブリンだ...』


 赤い光は10体程のゴブリンの目だった。

 緑色で小汚ない布を纏い、斧や剣、杖を持っているやつと様々なやつがいた。


『ギィィィィ!!』


 ゴブリンが突っ込んできた。


『当たらないんだよねー』


 1体、2体とソウルハントで処理していた。


『うあっ!!』


 鋭利な何かに切り裂かれるような痛みが走った。

 この世界に来て初めて感じた痛みだった。


『なんだ?』


 自分の体を見たが特に変わりはなかった。

 その間もゴブリンが襲いかかってきてるが攻撃は当たってなかった。

 今の痛みはなんだったんだ...


『+.m?/n2ry』


 聞き取れない何かを言っている杖を持ったゴブリン。

 その瞬間空気のようなものが飛んできたが咄嗟にそれを避けた。


『あいつか!そうと分かれば...ウォーターボール!!』


 前に突き出した掌から水が生成されていき、球のようになっていく。そして勢いよく標的に飛んでいった。


『ギエエェェ』


 ゴブリンの腕に命中し持っていた杖を弾き飛ばした。

 致命傷を与える程の威力はなかったが、ゴブリン相手には充分な効果があった。

 慌てて杖を拾いにいこうとするゴブリンだったが、それは許されなかった。


『ソウルハント』


 ゴブリン達は消滅した。


『ふぅ。今回はちょっと焦ったな...まさか痛みを感じるなんて思ってなかった』


『進化可能Lvに達しました。進化しますか?』


 種族→ヘルゴーストLv20(進化可能)

 進化先→レイス

 進化しますか?

 Yes/No


 もうこんなに上がってたのか。

 前回の進化時はLv10で進化できたのに今回はLv20での進化か。ゲームとかと同じなら進化する度に必要Lvが上がってくということか。


『レイス...ついにゴーストから卒業か!』


 Yesを押した。

 全身を光が覆う。そして光が弾ける。


『進化が完了しました。

 レイスに進化しました。』


『おおっ!進化してる!』


 見た目で進化しているのが分かった。

 モヤの集まりだった体が黒いフードのような物を被り、人間に近い形になっていた。


『スキルを獲得しました。』


 ステータス。



 種族→レイスLv1


 ユニークスキル

 ソウルハント


 スキル

 骨生成 骨再生 吸収 鑑定 毒耐性中 身体強化 解体

 水魔法Lv2 風魔法Lv2 闇魔法Lv2


『めちゃくちゃ増えてる!!解体と風魔法はさっきのゴブリンか。それと闇魔法...これはレイスに進化したから手に入ったのか。Lvも全部2だし本当強くなってきてるな俺!!』

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転生先はゴースト!? 森川 優 @morikawa-yuu

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