第39話 偽りのクレープ屋
「ん?」
肩を落とす青年に一は言葉を投げかけます。
「いや、こんなとびっきりのサービスなのに客がこないでやんの」
「金髪だからじゃないかな?」
みさきが答えます。
「そうなのか?」
「鼻ピアスも怖いよ?穴を開けたの?」
「飾りだよ。
ホレ!」
青年はそういって鼻ピアスを取りました。
「マグネット?」
一が首を傾げます。
「おう!俺の名前は桜庭
プロのボクサーになるのが夢のさ」
「ボクサーがクレープ屋?」
みさきも首を傾げます。
「これはダチの手伝いさ」
「そっか」
一が苦笑い。
みさきはあることに気づきます。
「って私達と同じ歳?」
「お前ら高校2年だろ?
だったら同じ歳だな」
「え?本当に?」
「大マジさ」
百道はニッコリと笑います。
「ちなみに同じ高校な」
「ええ?」
ふたりは声を揃えて驚きます。
「まぁ、軽音部は最近目立ってるからな。
噂になってるのさ。ってことで俺はお前らを知っている。
オーケー?」
「でも、金髪だったら目立つよね?」
「あー、これはヅラさ」
百道はそう言って金髪のウィッグを外しました。
「ええー」
ふたりは再び驚きました。
ジンクス∞僕の恋に旗は立たない はらぺこおねこ。 @onekosan
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