白いチョーク

1

また今日も、いつもと同じ1日が始まる。

顔を洗って、朝食を準備。ニュースを眺めながら朝食を食べていると、うかうかしている暇はない。あっという間に家を出る時間が迫ってくる。スーツに着替え、家を出る。

学校に着いたらすぐにジャージに着替えるのだから、スーツで行く必要はあるのかと毎日疑問に思うが、そんなところで反発する勇気は生憎持ち合わせていない。

駅に向かう途中すれ違う、同い年と見られる女性たちは皆そろって化粧をしている。いつからだろう、化粧をしなくなったのは。昼休み、体育、時期によってはプール…。化粧をしてもすぐに落ちる。どうせ私の顔を見るのは子供たちだ。化粧をする意味をいつの間にか感じなくなってきた。そして…このザマだ。

満員電車に揺られ、学校に着くのは朝7時。職員室のドアを開けると、すでに勤務を始めている学年団の教員たち。いつも通りの朝、いつも通りの光景。しかし現場はいつも通りとはいかないことも多い。

さぁ今日は何もおこらないでくれよ…。そう願いながら1日が始まった。