えぴろぐ
「うわああああ」
家に帰った僕は乙女のように枕に顔を埋めた。
唇に伝わる甘い感触、舌が絡まり、脳が真っ白になっていく感覚を思い出しては、顔が熱くなる。
ファーストキスがディープキスってどういうことやねん!?
しかも親友とって……もしかして夏、僕のことを男として見てた?
いやいやいや、そんなはず……あるのか?
告白のあと夏はやたらとしおらしかった。あれは、本当に彼氏彼女になった付き合いたて、みたいな反応だったのか。
で、でも、僕は凪さんのことが好きで、夏のことは女性としてみたことは……。
またもキスがフラッシュバックして、枕に顔を埋めて、足をばたばたさせる。
や、やばい。完全に女子として見てる。
い、いやだからといって、凪さんが好きなことには変わりないし。だ、だけど、夏と一緒にいたいのは本当だし。女子として見てる今もいたいってことは……ってあああああああああああ!!
心の中で叫んで、もう考えないようにする。
ああもうわからない。今日は色々とあり過ぎて疲れた。本でも読みながら寝よう。
僕は本棚に向かい合う。何にしようか悩んでいると一年前の部誌が目についた。何だか惹かれ、僕が書いた小説のページを開く。
読み返して、思った。
あれ?
諦めないこの子、こんなに笑ってたっけ。
「わたしなんて、地味だしぱっとしないしさぁ。他の子にしときな〜」と言われたので、他の子に告白するふりをしたら、必死に止めてきた ひつじ @kitatu
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