一話完結の短編で、ズッシリとした読みごたえ。砂浜に埋もれた美しい宝石。

涼しいそよ風の如くすんなりと読みやすく、読者に物語の世界の奥行きを感じさせる文章。
それは読者にテンポよく物語を読み進ませる。ここまで聞くと単なる「読みやすい小説」に思われるかもしれない。だが、この読みやすさこそがこの小説の重要なギミックの一つなのだと思う。そして、読者は物語と共にあっという間に後半から、終盤に突入していく。

遂に、後半〜ラストにかけて序盤のテンポの良さと読みやすさが、初めて生きる。ここまで軽いジャブに徹してきた小説が初めて、読者に痛烈なブローを与える。

最高に面白かったです。カクヨムという砂浜を歩いてたら、砂の中に埋もれていた美しい宝石を見つけてしまった。

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鳥籠の詩姫