11
日が落ちてきて、閉園が近付いてくる。
この6人でまた、遊びに来られるだろうか。
そんな少しの寂しさを胸に、私は佐藤と手を繋いで、みんなで園の門を出ていた。
「楽しかったねぇ!!」
鞠の満足そうな声が響く。
「そうだね。楽しかった」
「のども満足そうで良かった〜!さとちんとのどのデート姿も見られて一石二鳥だったね!」
「デッ…………」
デートとは、ちょっと違う気もするけど。
みんなの顔がにまにましていて、私は佐藤の背後に隠れた。
恥ずかしい、ばか、ばか。
「今日はトクベツだからね〜?こんな可愛い和香、ほんとだったら独り占めしたいわ」
「佐藤の独占欲めずらしっ」
「ふふん、和香を独り占めできる権利があるのはあーしだけ」
「ギャルが出てるぞ佐藤」
いつまで経ってもギャルの抜けきらない佐藤。
でもそんな佐藤が私は好きだし、面白いと思う。
堂々と言えちゃう辺りが、佐藤の凄いところだよね。
「夏には海に行くんだっけ?プールだっけ?」
頭の後ろで手を組んで歩く渚くんが、佐藤に顔を向ける。
「プールかなぁ。2年も避けてきたから、ちょー久しぶり」
「女装のままじゃ入れないもんね、さすがに」
「さすがにねー。プールデート、かなりアリだわ」
「またイチャイチャしてるとこ見せられんのかよ、爆ぜろ」
「好きなだけ羨んでくれていいよ!」
「もう恥ずかしいから佐藤は黙っていてくれる?」
そんな、賑やかな帰り道だった。
わがままシュガー after story RIM @RIM0310
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