10
「さとちーん!のどー!」
地上に降りてから合流した元気な声に、振り返る。
呼んできた鞠はいつもの通り、楽しかったようでキャピキャピしていて。
緑は真顔、渚くんはニヤニヤしていて、比嘉くんはというと。
「だめだよさとちーん、比嘉くん顔真っ赤っ赤にしてちょー大変そうだったんだからぁ!」
「こ、こっちばっかり向いてないで景色見ればっ」
「和香もいっぱいいっぱいになってるじゃーん!!かわいーっ」
私にタックルして抱き締めてくる鞠が、小さな声で。
「マリ、比嘉くんの新しい反応みれたよ。ありがとね」
そんなことを伝えてくれて……それからすぐに緑によってべりっとはがされた。
「こらマリモ、落ち着きなさい」
「なに?修行僧みたいな顔しちゃってるみどりんりん」
「しゅ…………精神統一してんのよこっちは」
「イチャイチャ現場見て修行僧になったの?」
「どっ……どう反応していいかわかんないのよっ」
友達のイチャイチャシーン(始終手繋いで肩くっつけてる姿)をみて、どうやら緑も耐えられなかったみたい。
「あれは、佐藤のせい、佐藤が勝手に寄ってきたの、ごめん緑」
「そんなんわかりきってるけど、わかりきってるけど……ギャルの佐藤の時だってそんなもんだったから頭の中が混乱して……」
「あぁ、なるほど……」
みんなの記憶に強く刻まれているな、ギャルの佐藤よ。
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