周囲の人々とは違う特異な体質を持つ少女と、
彼女を支えて共に歩む仲間達。
その身体を治そうと歩み出した小さな一歩。
それは様々な人にとって大きな一歩となる。
主人公を取り巻く優しい人々。
その裏側に流れる壮大な世界の動き。
登場人物という星たちと物語という宇宙が、
集まり、一体となり、収縮し、大きく花開く。
そのさまは、まさに優しいビッグバン。
読んでいると頭のなかで、
夜空の真ん中で綺羅星の幻想的な光に包まれてる、
そんな感覚になりました。
全話読み終えてからこれを書いてますが、
最後の数話は「あぁぁ...」となってました。
これは読んだ方なら分かるはず。
レビュー見て気になった方は確かめて欲しい。
この世界には輝術という魔術のような力があります。しかし、スピカという少女はその光を浴びると体調を崩してしまう……そんな特異体質な持ち主。友人のアヴィオールとともに、叔父のアルファルドの元をこっそり抜け出して秘密を探ろうとしていきますが……
その秘密はとんでもないことに繋がっていくのです……
世界観は星と竜と星座に関連する魔法などの王道ファンタジー。この世界観などもわかりやすく書かれており、文章も読みやすくすんなりと入っていきます。術の表現もその星にまつわるものが連想できるので、本当に星々の瞬きのようなお話。星座とギリシャ神話が好きな自分にはぶっ刺さりました。
キャラクターも豊かで、敵も憎けりゃ、味方も愛おしい。キャラクターに関わるストーリーも切なく、またのめり込まれるほどなのでGOODです。
図書館や図書室の本の香りを思い出すほどの惹かれる星たちに関わるお話。
是非ともおすすめいたします。
主人公であるスピカは、養父のアルファルドと二人で暮らしていて、輝術の光を浴びると体調を崩してしまう体質に悩んでいます。
自分のルーツを辿り、体質を治す為に友人と旅に出たスピカは、そこから次第に自分に関わる大きな謎に巻き込まれていきます。
銀河鉄道や輝術、賢者や星座にまつわる名前など、絵本のような素敵な設定が魅力的です!
文章もとても読みやすく、読み進めていく内にスピカの生い立ちやそれに関わる謎について気になってしまい、夢中になってしまいます。
スピカの行き着く先はどんなものなのか、絵本をめくるようにゆっくりと読んでいきたい素敵なお話です!
賢者が有する特殊能力である輝術。
スピカは、その輝術の光を受け付けない特異体質の少女。
スピカがその体質を治すため、親友のアヴィオールと冒険に出るところから物語は動き始めます。
星座をテーマにした設定で、登場人物の名前や街の名前、賢者など星座にまつわる名称になっています。
特筆すべきは、独創的な世界観。
光のレールに沿って空を走る列車に乗れば、雲の上の旅を味わえます。
車窓を覗くと、ペガサスや雲のなかを泳ぐ海獣の姿。
「星屑を炙ってたら爆発しちゃった」という不思議な情景。
幻想的で甘美な世界を、少年少女と一緒に旅してみませんか?
本作は星にまつわる言霊と、光の力を導く輝術、星座の賢者、幻想生物と銀河鉄道が織りなす叙情ファンタジーです。
星の光、星の力が輝術として密接に存在する世界で、主人公の少女スピカは、成長するにつれて輝術に触れると体調を崩してしまうようになった自分に戸惑いを覚えます。
義父のアルファルドは、優しいけれど過保護で、自分になにかを隠している。
ほんの小さなきっかけから、スピカの世界は、パノラマが明滅するように景色を変えて行きます。
13の大賢人、冬の訪れ、乙女の継承、そしてタルタロスの竜王……自分のルーツをたどる旅路に、スピカは、幼馴染の少年アヴィオールと共に踏み出します。
子供たちと大人たち、それぞれの想いがせめぎ合う星空のジュヴナイル、皆さまも銀河鉄道の切符を片手に御一緒いかがでしょうか。