最終話 エピローグ 少女、ラヴァイトとの別れ
ラヴァイトの墓標の周りが夕闇に染まっていた。
サトリは左右に人が居ないことを確認して、意を決して口を辿々しく動かす。
「……あ、……り、……が、……と、……う」
サトリは人間語を喋った。
しかも、羞恥か夕日のせいで顔を真っ赤にして微笑んで。
その後、夜の帳に紛れてサトリは、
背中に妖精のような羽を生やして何処かに飛んで行った。
とある妖怪の領土にて。
サトリがサトリの上司達にラヴァイト達の事の顛末を伝えると
サトリの上司達は口々にこう言った。
「人間は恐ろしい」
「妖怪の我々は特別な事情ない限り、同族は襲わない」
「特別な事情と言っても、縄張り争い、種の保存などの生物的な本能に基づいたが主なもの」
「人間は違う」
「赤子が泣いた、造形の醜悪、恋愛感情など複雑怪奇な感情よって」
「人間は同族を襲う」
「またその複雑怪奇の感情で我々妖怪に未知の恐怖を与える」
「恐ろしき者、人間」
~End~
~妖~ 人界見聞録 @jiminatouhi
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