端的に言えば人類が滅んだ後のロボットたちのストーリーです。
ロボットものですがその関係性は人間同士とまるで変わらず、親子のような情愛や兄弟愛などもテーマの一つとして扱われております。
様々なロボットが出てくるのですが、どれも個性豊かで、あくまでもプログラムであるはずの彼ら彼女らの感情面が成長していく様が興味深かったです。
ネタばれになるので詳しくは言えませんが、構造的には一番人間に近いはずのロボットが、あくまでもプログラムであるはずのロボットより感情の表し方が乏しいのはなぜだろうか、など不思議に思いつつ読んでいたのですが、最後の最後で「やはり、これはプログラムではできない、人だからこその感情の発露なのだ」と感じさせる行いをした瞬間、涙が出ました。
読者は皆、自分自身で作者の提示した『人とはなにか、感情とはなにか』というものを、自分で掴みとることができると思います。
最後まで読んでほしい、愛のストーリーです。