第四話

 「ちゃんとやれ」? どういう意味だ。



 カンニングはばれてはいないはずだから言われるならば、「頑張れよ。」とかじゃないのか。



 そもそも何でそれを言うためだけに追いかけてきたんだ?



 この先生はもしかしてカンニングの事実を知っているのか……?




「あ、ありがとうございます。頑張ります」



「ん、じゃあな」




 別に特段引き留められたわけではないようだ。



 何とか乗り切ることができたから一安心である。



 むーの家に着くと早く出てきたはずなのにもう中島は来ていた。




「おっそいですよ!!」



「悪い悪い。先生に引き留められてた」




 中島の顔はぶすっとしていて拗ねているように見えた。




「それならしょうがないですけど……! 走るとか何とかしてくださいよぉ」



「その発想はなかったな。悪かった」



「まぁいいですけどぉ。もうみんなも来ているはずなので、早くいきましょうか」




 ここでやっと中島の顔が明るくなる。



 どうやら許してくれたみたいだ。見た目と声に相応して、めちゃめちゃ歩くのが早い。



 俺が小走り程度に歩いてやっと追いつくくらいのペースである。




「ちょ、ちょっとだけ歩くのを遅くしてくれないか、?」




 息絶え絶えにそういうと中島は笑ったようなしぐさを見せる。




「先生実は運動できないんですねぇ」




 ニタニタされながら言うととてもむかつく。




「しょ、しょうがないだろ。こればっっかりは。神様の、、気まぐれ、、だからな」




 まだ酸素が足りていないようである。




「まぁそうなんですけどぉ。私が歩いているだけでそんなに息を切らすっていうのは…ぷふっ」



「おい、わ、笑うな。少し、酸素が、足りないだけだ、」



「だーからそれを笑ってるんじゃないですかぁ」



「笑うなぁ!」




 むきになってそういい返す。そうすると中島はさっきまでとは違う笑みを見せる。




「あ、元気になりましたね。よかったです。じゃあいきましょうか」



「あーやぱりもうちょっと休まないとかも……」




 俺がふざけていうと、中島はまたさっきまでのニタニタした顔になる。今度はなんてからかわれるんだ……と思っていると




「というかここが私の家なんですよね」




 と言われた。とっさに




「はぁ!? もっとはやく言えよ……それなら休む必要なかったじゃないか」




 と言ってしまう。




 すごく恥ずかしいことをさせられていたようだ。




「うちの家の前でまた走ろうと休憩してるからニタニタしてたんですよ」



「知らないんだから仕方ないだろう」




 本来ならばここで俺がキレてもいいのだろうが、もうそんな気力は残ってはいない。



 もう怒るのは諦めて大人しくしくすることにした。




「それで? 俺はどうすればいいんだよ」




 というと、はっと思いだしたような表情をしたとに




「完全に忘れてました! どうぞどうぞ入ってください」




 と言われ、かるく会釈しドアを開けようとしてみる。




「おい中島。このドアあかないんだけど」




 俺がそういうと中島はとても焦ったような顔をして、




「あ、あぁ! すいません! 鍵かけといてって皆に言ったの忘れてました!」



「じゃはやくあけてくれ」



「わかってますよ……あれ?」




 中島はバッグの中を探すのをやめ、体中を確認し始めた。



 なんだろう。とても悪い予感がする。というか悪い予感しかしない。




「も、もしかしてだが、鍵、置いてきたのか?」



「そ、そんなことはない……はずです」



「はず? ってことはやっぱり見つかってないんじゃないか」



「うっ、あるはずなんです……」



「もういいよ。探すのは諦めろ。中にいる人たちに連絡して開けてもらえばいいだろ」



「そ、それが、私携帯中で……


 しかも勉強始める前にむつみが勉強に集中するためっていってみんなの携帯の電源切らせて、どこかに隠しちゃったから、見れないんです…」 



「お前の家なのに、なんでむーが管理してるんだよ……」




 呆つつも、人の家でも面倒を見れるむーに対して、またも尊敬の念を持つ。




「まぁ試しに、俺の携帯からかけてみるか……って、俺むー以外の連絡先知らないんだけど……


 まぁでもむーの連絡先は分かるから試しにかけてみようか」




 といってかけてはみたものの、やはり出ることはなかった。




「携帯の話を持ち出したのはむつみなのに、そのむつみが携帯を使うわけないでしょう」



「うぐっ、たったしかに……」



「もう今日は、あきらめましょうか。

 授業が終わる時間になっても先生が私の家に来なかったらさすがにむつみから連絡が入るでしょう。

 仕方ないので、それまでは待つことにしましょう」



「わかった。と、なると俺らはどこかで暇つぶししなきゃならないわけだが、どうする?」




「んー……そうですね……


 私たち生徒と先生なのに、まだお互いのこと全然知れてないじゃないですか?


 だから今日は、公園にでも行ってそういう話をするのはどうでしょう?」  



「お、俺もお前らについてのことは知りたいと思ってたんだ。」



「じゃあ早速行きましょう。ええと、この近くの公園は…あ、ありました。あそこにしましょう」




 中島は、この近くの公園のうちのどこかを思いだしたようで歩き始めた。



 俺は、この辺の土地勘がないので迷わないように必死に中島を追いかける。



 さっきと同じく歩くのが早い。なにも考えず、ただ中島だけを必死で追いかけていたら、気づかぬうちに到着していたようだ。




「ここの公園にしましょう! やっぱりここの公園には誰もいないですね…せっかくだしブランコに乗りながら話しませんか?」




 そういわれ、断る理由もないのでブランコに乗ることにした。




「まず何から話しましょうか」






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Cunning&My life~カンニングした俺、気づいたらハーレムだった~ @3623

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