海は恐ろしくもまた雄大で

小学二年生の「僕」の家の離れに住むようになったのは、先祖返りで人魚の鱗とヒレを持つ女の子・ヨミちゃんだった。「僕」は、彼女に勉強を教えてもらいながら、人魚の宿命を目にする。
「僕」とヨミちゃん微笑ましくも切ない関係性が、繊細に描かれた作品。彼女の人魚としての特徴が、物語の最大の特徴となっています。
自分とは異なる相手とのコミュニケーションは、とても難しいものです。しかし、ヨミちゃんを普通の女の子だったと語る「僕」の目線は、最後まで優しく感じました。