あとがき
記憶が定かではありませんが、このプロトコルの構想は、少なくとも十五年以上前から温めていたものです。大津市やその他でいじめによる自殺が起きる度に手を加えていたのですが、公開する機会を逃して放置されていました。
文科省や専門家がたくさんいるのだから、その内有効な対策が打ち出されるに違いない、ズブの素人がブログかウェブサイトでこのようなものを書いたところで、一体誰が読むのか、というのが主な理由でした。
ところが、この『失われた三十年』で、いじめ対策にほとんど進展はありませんでした。旭川では再びいじめによって女子中学生が命を落としました。大津事件を受けて成立したいじめ対策基本法は、ほとんど役に立っていないようです。
誤解を避けるために改めて述べておくと、この『プロトコル』は、いじめが起きて、学校でも対処出来ない場合に、専門のチームを派遣して解決を図るというものです。あくまで、いじめ対応の一端を担うにすぎません。予防および学校での初期対応が不要という訳ではありません。
いじめ対応と一口に言っても、状況や立場は様々です。予防なのか、加害者に対する罰則なのか、教師なのか、被害者なのか、保護者なのか、焦点を絞って議論しないと、恐らく話が噛み合わないということになるでしょう。この点は注意が必要です。三十年間の停滞も、これが原因の一つのような気がします。一ミリでも意見に相違があると、相手に対する人格攻撃が始まり、不毛な議論に終始してしまう。こうした傾向は、近年益々強くなっているように思えますね。
ツイッターのおかげか、流石にティーンの読者には関心が高いのか、ブラック企業の話に比べるとアクセスが多いです。読者の皆様には感謝申し上げます。
その内に実践編がアップされるかと思います。そちらも宜しくお願いします。
いじめ対応プロトコル~基礎編~ 朝木深水 @shinsui_asagi
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