神様になりたい僕と5人の神様
kayano
第1話
僕は何者なのだろう。私は何者なのだろう。そんなこと、思ったことはないだろうか?もしかしたらこんなことを思っているのは私だけかもしれない。だが、少なくとも私は私を取り巻くネット、メディア、周りの人達で出来ている。私は、本当にいるのだろうか。まだ日も昇らない深い夜そんなことを考えていた。きっと、世の中で起きているのは私だけだろう。でも、今起きていても私は別に困らない。私は15歳。ナナ。本来なら学校に行くべき年齢だ。だが私は学校に行かない。両親は私が学校に行かなくなった頃学校にいけ。他の子はできているのに。なんで当たり前のことができないのか。と私を責めた。先生はみんな待ってます。少しでもいいから来て下さい。と言った。いつも学校にいない私を待っている人なんかいないのに。親や先生からの私に対する言葉を聞くたびに私はどうしようもなくなる。学校になぜ行かないのか。そんなこと私に聞かれたってわからないし誰か教えてくれる人がいたら教えてもらいたいくらいだ。そうしているうちにうるさかった親は何も言わなくなり、先生は以前のように電話してこなくなった。私は学校に行かず、昼間は家で寝て夜深い時間に1人でスマホだけを持って散歩する。もちろんこのことは私以外の誰も知らない。知らない。だろう。一階の明かりが消えて30分くらい経ってから私はこっそりと家を出た。
私の家の周りは比較的人通りも多く明るいうちは幸せそうな親子や仲のいい夫婦、街を彩る沢山の店が街を照らしている。
だが、夜は打って変わって等間隔に配置された街頭のみが街を照らしている。
私は家から大通りまでの道を歩いて、大通りのコンビニまで行きいつもアイスを買って家まで帰る。
今日もいつもと変わらなかった。変わったといえばいつも食べていたチョコのアイスが期間限定のアイスに変わっていたことくらいだろうか。そのせいで私はバニラアイスを食べないといけない。
まぁそんな時もあるだろう。そんなことを思いながら、右耳だけイヤホンをつけ、ありふれたような音楽を聴き始めた。
初めの一曲がもうそろそろ終わる頃、遠くから私を呼ぶ声がした。家とは別の方向に走っていた。なんでこんなに走りたくなったのか全く検討もつかなかった。気づいたら、私の目の前に狐面のちいさな女の子がいた。
「ナナ、かなえてほしいことあるでしょ?
なんでもかなえてあげる。」
私はこの状況に本能的な危険を感じた。本能が逃げろと言っていた。でもこの普通じゃない状況になぜかワクワクした。それと同時になんでこんな深夜にこんなに小さい女の子がいるのか不思議に思った。
「お母さんはいないのかな?こんな深夜にどうしたの?危ないから早く帰ったほうがいいよ。」
そう私は言った。すると女の子がまた
「ナナ、かなえてほしいことは?なんでもかなえてあげる。」
と言った。
神様になりたい僕と5人の神様 kayano @ayatechi
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