いのちを育てる戦士たち

 貴方の敵は誰ですか?

 この国ですか? 別の国ですか?
 大人ですか? 子どもですか?
 リアルですか? ネットですか?

 あくまでもこれは個人の感想ですが、私はこの作品で、ここ数年のあいだにおぼろげながらも感じつつある「私の敵」が、またひとつ明確になったような気がします。戦士は敵と戦い、味方の命を守るもの。では、この作品のような「いのちを育てる戦士たち」は、いったい誰と戦っているのか。それはもちろん、貴方が自分の目で確かめてください。

 実をいうと、この作品は作者さんの主張が前に出過ぎて、フツーの小説としては破綻しているのでは、とも思います。ただし、私にとってはその主張が、ことごとく私の意にかなっていて、まるで痛快な異世界モノのように感じられ、強い感動を得ることができました。悲しいことに、この作品がありえない世界のファンタジーであることも含めて。そう、魔法のたぐいなど何も描かれていないというのに。

 みずからの行いを含めた、命と正義と倫理の意味を考え続けたいと思うかたにお勧めします。42読/202続にてレビュー。

 なお、もう少し読んでからレビューするつもりでしたが、我慢できませんでした。不都合があったらごめんなさい~