第29話 特異進化したオーガをサクッと討伐!

 オーガ7部族の制圧に乗り出した。

 ポポ曰く、7部族討伐後、儀式を行うと言う。

 これは、ポポの大願であり、

 俺らの今後に大いに役立つと言った。

 それは、なんだと聞いたが楽しみにその時を待てと、はぐらかした。また、それほど急いでもないらしい。




 2つ目のオーガ砦の正門が開く。

 ウダユウは鉄壁、防御共有、盾具現、アイギスを展開する。

 雪崩れ込むオーガの群れに挑発を発動!

 オーガの攻撃目標がウダユウ一点となった。


 防御力が格段に高くなっている。防御スキルのアイギスによって正面からの攻撃はすべて弾かれ、一定確率で石化していく。両サイドには具現化された盾が宙空を舞い、付け入る隙がない。極稀に攻撃を胴体に当てても鉄壁で貫通せずダメージを与えられない。


 攻撃スキルのビックインパクトでオーガ達は潰されていく。

 石化されたオーガは木端微塵である。


 彼が新たに獲得した派生スキル、反射・体力イーター・蓄積放出の火力がとんでもなかった。あらゆる攻撃は反射され攻撃者に返っていく。叩けば叩くほど体力吸収され徐々にHPが喰われていった。


 ときおり彼の周囲が爆発した。スキル蓄積放出は攻撃を吸収し、一定量まで力が貯まると放出される。周りのオーガがバタバタと倒れていく。


 俺、トト(猫化)、キリはそんなウダユウをよそに特異進化したオーガを待ち受けていた。


 それの出現は前回と同じ流れだった。

 咆哮がけたたましく鳴り響いた!


『グウォオオオオオー!』


 その刹那、ウダユウは黒いオーガの大剣を受け止めていた。

 今回は飛ばされることなく、その力が拮抗する。


 トトがウォークライを吠える。

 身体系スキル、俊足・五感先鋭・身体強化が発動した。

 精神系スキル、獅子の心で全体をコントロールする。


 五分五分の鍔迫り合いにトトが割って入るが、

 黒いオーガの斬撃は止まらない。


 俺は気配遮断と無音歩行を使い黒いオーガの影に潜伏することに成功した。影縛りを使い動きを少しづつ縛っていく。

 デスサイズを召喚! 

 影から飛び出し背後から袈裟斬りを決める。


 黒いオーガの動きが鈍るとトトの連撃がヒットしグラつく。間髪入れずにウダユウがシールドスタンを放ち、動きが完全に止まった。


 トトの爪が黒いオーガの首筋をかすめる。

 頸動脈を裂き鮮血が吹き上げた。

 俺はデスサイズで両腕を切断する。

 再度、トトのウォークライを吠え上げた!

 身体強化された彼女の連撃が、敵の体をズタズタに切り裂きとどめを刺した。


「キリ! リラックスを入れてくれ」

「了解しましたー!」




 2体目の特異進化したオーガは問題なく討伐に成功した。

 ラストアタックがトトだったので豪運が働き魔石とアイテムがドロップした。


 何級の魔石だろうか? ポポは災害級だと言ってたな。

 その大きさはキリの顔ぐらいある。

 魔石としてとても大きいと思う。

 色は紫色に輝いていた。

 ドロップアイテムはオーガの大剣だった。

 冒険者ギルドの査定が楽しみだ。


 オーガ群れも狩っている。

 こちらも魔石が幾つかドロップしていた。

 ウダユウ一人で群れを殲滅したからあまり多くない。

 それどもかなりの金額になるはずだ。


 災害級の魔石とアイテムだ。

 よくやったトト! 彼女の耳をモフモフする。

 すると、頬をペロペロと舐められた。

 ふと、気付くとトトの姿が戻っている。


 なっ、彼女は裸だ。


 まだ自分の変化に気付いていない。

 頬をペロペロが続くなか、俺は大慌てでトトの服を用意する。


「トトちゃん! すぐに服を着なさい!」


 俺はトトを引き離し、インベントリから出した彼女の服を差し出す。


「は、早くしろ!」


 キリはトトを覆い隠すように立ちはだかるが、

 ハイホビットである彼女は小さい。あまり隠せてないぞ!


 状況に気付いたトトは、自分の体を確認する。


「イチちゃん! 見て見て!

 トトは元通りにもどったよ!」

「トト、わかった。わかったから服を着てくれ」


 にゃはは、と笑いながら彼女は服を着た。


「トト、おかえり」

「ただいまー!」




 一旦、家に帰還することになった。

 もれなくポポがついてくることになった。

 ウダユウとキリが誘ったのだ。


 ポポはキリの手料理に興味をしめしたらしく、カレーが食べたいのじゃ! と発言した為、ぜひぜひとなったわけだ。


 俺も一旦、考えを整理したかったので休息の提案は、ありがたかった。


 座会と冒険者ギルドにも行かなければならない。

 報告することがたくさんある。


 マーク・キャンベルがモノリスの因子であること。

 アレクサンドロス王に封印された特異進化したオーガが7体いること。そのうち2体は討伐したこと。

 アレクサンドロス王とポポの子孫がいること。

 俺らが上位職業スキルを獲得したこと等。


 キリなんて聖女だもんな、教会に連れてかれないか心配だ。

 ウダユウにトトも同じことが言えるか・・・

 ウダユウは聖騎士団に入団できるだろうし、トトは獣人族の重役になれるかもしれん。


 俺は死神みたいなスキルだから、

 座会のカンゾウが喜ぶかも・・・


 そもそも、ポポが言う災害級を討伐したのだ。

 座会や冒険者ギルドの反応が恐ろしい。


 はあー、またゆっくりと休みたいが、

 周りがそれを許さないだろうな。



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土地神様が太陽の塔へ巡礼の旅に連れていけと言うんです。国造りって何ですか?俺、貧乏冒険者なんですが! 春田大門 @noranekorider1976

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