第2話 衝撃

全身に鳥肌が立っている。


すごい。すごい。すごい。


過去の人類て、すごいじゃん。


私は、モニターを見つめたまま、今、見た映像を思い出していた。


何なんだろう?

あの服装は?

動きづらそうな格好だったが、凄い速さで動いてた。

てか、私が今、見た過去の映像は、何時の時代の物だ?

100メートを超えるコンクリートの建物なんか1つも映ってなかったぞ。

あの建物は、どんな材料で造られているのだろう?


でも、もっと驚いたのは、木々が、たくさん映っていた。

大昔には、あんなに大きい木がたくさん大地に生えていたんだ。

大地も砂では、なかった。

あれは、なんと言うのだろう?

焦げ茶色で固そうな大地…


それに、最初にこのメモリーディスクの映像を見たとき、初めて自分以外の人類を見た。

人類は、大勢いた。

男は、大きめの服を着ていて、女は、筒状みたいな服を着ていた。

この映像の中でも人類は、争い事をしていた。


…人類は、破壊をプログラムされた生物だ。

crystalが教えてくれた。


でも、頭の中で繰り返される戦闘の映像が私に興奮を与え続けている。

男は、地を這うように走っていた。

走り回りながら闘っていた。

鉄の棒のような武器を使い相手を切殺していた。


1人の男にたくさんの人々が襲いかかる。

男は、最初、逃げてるように見えたが、それは、誘導だった。

男は、壁を駆け上がり一回転して追ってきた人々の背後を取り着地の時には、既に斬激を繰り出し終えていた。

その斬激で1人が弾け飛び、すぐさま、1の太刀、2の太刀、3の太刀と人々を切り裂いた。

太刀…誰かがそう言っていた…


皆、手には、鉄の棒を持っていた。

鉄の棒…

そうか、太刀だ。

あの鉄の棒は、太刀だ。

人体の肉をあっさりと切り落とす武器だ。


私は、興奮が収まらないまま次々とディスクを見た。


次に見たディスクには、刀と拳銃どちらが最強かと言う実験の映像が入っていた。

こちらの映像には、木々は映っておらず、なにか広い屋内で実験が行われていた。


実験は、至って簡単だった。

太刀と拳銃と呼ばれる鉄の玉を火薬の爆発力によって飛ばす器具の破壊力比べだ。


まず、太刀を固定する。

そして、太刀の刃めがけて拳銃の鉄玉を発射する。

太刀が折れたら拳銃の勝利。

鉄玉が斬れたら太刀の勝利。


結果は、太刀の勝利だった。

太刀の刃に命中した鉄玉は、真二つに斬られた。


私は、興奮覚め止まぬまま最後のディスクを見た。


そのディスクには、最初に見た太刀の男が映っていた。

その太刀の男は、拳銃を持った男と闘っていた。

私は、その闘いを見ていて思った。

拳銃より太刀の方が強いと。

やはり、私の予感は、的中した。

太刀の男が勝ったのだ。


でも、太刀の男は、太刀同士の闘いで、敗れた。

太刀を太刀で斬られてしまった。

その戦いを見ていて私は、鳥肌がたち、背筋がゾクッとした。

凄い速さで斬激が飛び交う。

動きも瞬きしたらわからなくなるような気がした。


そして、太刀の男が勝つと思っていたのに太刀を斬られてしまった。


私は、太刀の男が斬られると思った。

でも、太刀を斬られて闘いは、終わった。


ほっとした。


太刀の男は、新しい太刀を打ってもらうため刀鍛治を捜し始めた。

太刀は、刀とも呼ばれていて、刀鍛治と呼ばれる人が鉄を打って造り出すらしい。

でも、太刀の男が捜している刀鍛冶は、見つからない。

捜し続けていて、実は、1本の刀には、真打ちと影打ちと呼ばれる2本の刀が存在すると言うことがわかった。

真打ちと呼ばれる刀は、神社と呼ばれる小さな家に隠されている。

その小さな家には、神と言う人が住んでるらしい。

真打ちと呼ばれる太刀を手に入れた太刀の男は、再度、闘いを挑み勝った。

でも、太刀の男が勝った事は、嬉しかったが、私の頭の中は、真打ちの太刀の事で思考が一杯だ。

もしかしたら、過去の遺物の中に神社と呼ばれていた家があれば、そこには、真打ちと呼ばれる太刀がまだ隠されているかもしれない。

そう考えるとなんだかワクワクする。

どうしよう。

もし、本当に神社と呼ばれる家があってそこに真打ちの太刀があったら…

え、え、え、考えたでけでもヤバい。


ちょっと一旦、落ち着こう。

感情の高まりは、判断力に欠けることになる。

crystalが言っていた。

落ちついて考える。

どうして、私は、こんなにも真打ちの太刀が欲しいのか?考えてみる。


う~ん。

欲しいからだ。

答えになってないな。


crystalなんで私は、真打ちの太刀が欲しいのかな?

crystalに問いかける。


「それは、人間の遺伝子プログラムに組み込まれている破壊行動から破壊に必要な圧倒的な力の象徴としてその太刀を認識したのかもしれませんね。」


「破壊行動?」

再度crystalに問う。


「そうです。元々、人類がこの星に寄生された理由は、濾過装置の破壊が目的でしたから。」


「濾過装置?」

「何だか話が突拍子もないね。」

思ったことをcrystalに言う。




「はい。」

「この惑星は、元々、AQUAのエネルギー源として創られた惑星AQUA sourceです。」


「AQUA source…」

えっ、言葉が出ない。

crystalは、気にせず話を進める。

「簡単に言えば、AQUA sourceは、AQUAのエネルギー源庫です。」


「AQUAは、定期的にAQUA sourceからエネルギー原料を補給していました。」

「そんなある日、破壊行動を好むRAVAGEがAQUA sourceにAQUAに有害な物質を撃ち込んだのです。」


「それは、大変な出来事だね。」

「ところでAQUAとRAVAGEて、何なの?」

crystalに思った事を言う。


「AQUAとRAVAGEは、簡単に言うと人類と同じ意味です。それぞれの惑星に存在する物です。」

「AQUAの物、RAVAGEの物。」

「AQUAの物のエネルギー源は、ミネラルです。AQUA sourceは、ミネラルが豊富に溶け込んだ水の惑星でした。」

「水の惑星にRAVAGEの物がAQUAの物に有害な塩素爆弾を撃ち込んだのです。」

「AQUAの物は、塩素に汚染された水の惑星を元に戻す為に濾過装置を設計して水の惑星に設置しました。」

「AQUAの物によって創られた濾過装置は、海底から汚染された水を汲み上げ大地により濾過され、浄化された水となり、また海に戻される。これを繰り返せば汚染された水は、浄化された水になります。」

「ただそれには、莫大な時間が必要でした。」

「AQUAの物は、濾過装置を半永久的に使えるように大地に動く物を配置しました。動く物は、大地から生まれた物を食べ糞尿を排泄して大地の活性化をしました。」

「また大地に溜まった毒素を抜くためにAQUAの物は、毒素をエネルギー源とする移植する物を大地に差し、毒素を取り除きました。」


「AQUAの物は、そこまでAQUA sourceに施し、浄化されるまで新たなAQUA sourceを作成するため適正銀河を求め旅立ちました。」


「ちなみに、濾過装置のことを人類は、陸地と呼んでいます。」


「なるほど。地球は、AQUAが創ったのね。」

「じゃー、人類もAQUAが創ったの?」

crystalの話を聞いて気になった事を聞く。


「いいえ。人類は、RAVAGEの物が濾過装置破壊に撃ち込んだ巨大氷爆弾に仕込まれた人形ヒトガタウイルスXY01が元です。」

「RAVAGEの物は、AQUAの物が旅立った後にもAQUA sourceに破壊活動を続けました。」

「巨大な氷の塊を濾過装置に落とし続けて全てを氷で閉ざし濾過装置を機能不能にしました。」

「ですが、AQUAの物は、AQUA sourceに自己修繕機能を施していたのです。」


「AQUA sourceは、自己のエネルギーを熱エネルギーに変換して大地に送り、また空にも自己のエネルギーを気体エネルギーに変換して送り幾つもの層を織り成しレンズを生成して太陽エネルギーを集積して氷を溶かしたのです。」


「ふーん。」

相槌をいれた。

なんだか私が聞きたい事からだいぶ話が逸れている。


crystalは、話を進めた。


「しかし、氷が溶かされるのは、RAVAGEの物も想定内でした。その時のために人形ヒトガタウイルスXY01を氷の中に仕込んでいたのです。」


人形ヒトガタウイルスXY01型は、感染した物を凶暴化にし破壊行為を進んで行うようプログラムされています。感染した物は、四足歩行から二足歩行にプログラムが書き換えられ、前足を手にプログラム変換され、より破壊行動が行い安い体型と変化して行きました。」


「それが、人類の始まりなんだ。」

相槌を入れて様子を伺う。


「そうです。」

人形ヒトガタウイルスXY01が動く物の体内に入り動く物の姿を人形ヒトガタに変えていったのです。幼かった時に、お話した、人魚。人魚は、魚に人形ヒトガタウイルスXY01が変化をもたらしら物、河童は、亀に人形ヒトガタウイルスXY01が変化をもたらせた物、妖精は、蜻蛉や蝶に人形ヒトガタウイルスXY01が変化をもたらせた物、人類は、猿やゴリラに人形ヒトガタウイルスXY01が変化をもたらせた物。」

人形ヒトガタウイルスXY01が一番適合したのが猿、ゴリラでした。」


「crystal、わかったから。」

「わかったから人類の話は、また今度でお願いします。」

「私が聞きたいことは、過去の遺物でもしも、もしも神社を発見したならそこに真打ちの太刀があるか、ないかを知りたいの。」


「なるほど。少し調べてみましょう。」

「過去の時代の日本国でそのような風習は存在したようです。」

crystalは、少し調べると言いながら直ぐに回答を話し出した。

でも、そこがcrystalの凄いところだ。

「また、過去の時代で日本国では、領地の当主が愛用した品々を神社や寺に奉納し記述などがあります。その奉納された品々の中に名刀と呼ばれる刀が存在するようです。」

crystalの回答に気持ちが昂る。


太刀がある。


太刀がある。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

artificial intelligence world. 草薙 華器 @kaki09

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ