血肉の殺戮の境界で

刻心

第1話神は気まぐれ(ショートプロローグ)

日本、平和国家にして経済大国の一つ、戦争に敗れ、あたり一面焼け野原から奇跡の復興を遂げた国。そんな歴史が語り継がれて半世紀以上の現在。

誰もがいつも通りに働き、勉強し、時間を過ごし、やるべきことをしていた。

そんな中、何の予兆もなく変化は訪れた。

晴天がいきなり変化した。

空の雲はどす黒くなり生暖かい風があたりに吹いた。そんな風に矛盾して生きている心地のしない寒気に誰もが襲われる。雲が生きているかの如く動きだした次の瞬間、空に円形の黒い空間が開く。おぞましい何かを生み出さんとばかりの禍々しい雰囲気を醸し出し、今にも何か起こると誰もがそう感じたであろう次の瞬間、それは消えてしまった。あたりを支配した禍々しさは消え、またいつもの日常に戻ってしまった。

後に当時の日本政府はこの件に関して、宇宙空間での素粒子の兵器実験が原因と発表し、混乱の収束を図った。しかし、これは序章に過ぎなかった。この一つの事象がこの世界を巻き込むとんでもない事態を引き起こすことになるとは誰もが想像しはしなかった。

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血肉の殺戮の境界で 刻心 @yuking0920

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