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バブみ道日丿宮組
お題:君の霧雨 制限時間:15分
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葬儀を終えて教室に戻ると、彼女は泣いてた。
「……大丈夫?」
「う、ん、へいき。もういっぱい泣いた」
静かに彼女が座る席の隣へ。
「キレイな顔だったね」
「うん、美人だったのがさらに美人になって少しおこ」
口端をあげて、彼女が微笑む。
「死ぬってどういうことなんだろうね」
「この世からの救いって人もいるみたいだね」
だからこそ、自殺者は減らない。
こんな世界生きてる価値はないのだと、一人新しい旅にでる。
「私はね、いなくなるなら私の方だと思ってた」
「いなくならないでよ」
「無理なんだ。あのこがいってしまったら私の居場所はどこにもない。あのこが作ってくれた温もりは彼女がいたからこそ生まれたものであって、私は……違う」
彼女の顔が辛い表情へにじむ。
「僕がいるよ。まぁ僕は彼女のような空間は作れないから、居心地悪い教室になるかもしれない」
いじめは起きない。
誰にも話しかけられないことをいじめというのであればいじめになるが、おそらく違う。
彼女が一緒にいれば、普通に話しかけられ、遊んでたりもしてた。
そのパーツが取り外れたのなら、答えは決まってる。
「嬉しいけど、あなたはあのこが好きだったんでしょ。こないだキスしてたよね?」
「あれは……まぁ……彼女に要求されてね」
思わず顔をそむけた。
やってないことをやりたい。身体を重ねたし、吸えないものも吸ってみた。
今に思えば、あの時既に彼女は命を落とすことを決めてたのだろう。
「だったら、私ともしてくれる?」
「君が嫌じゃないなら嬉しい」
彼女が立ち上がると、手を指しべてきた。
「じゃぁいこ。今日はもう早退。君の家で暖めて」
「うん、わかった」
彼女の手をとり教室を出た時、彼女は手を握ってない方の手で僕の目をぬぐった。
「ほんと泣き虫なんだから」
「……ごめん」
抱きしめられた温もりは、感じたことのない幸せの匂いがした。
そして僕らは二人彼女が見たどこまでも透き通る雨を流した。
1145 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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