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バブみ道日丿宮組

お題:たった一つの町 制限時間:15分

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 人の噂を頼りにすることは何も間違ったことじゃない。

 地図も、電車も、あらゆる情報は誰か知らない人が作り出したもの。そしてごくあたりまえのことだけど、それで仕事をするものもいる。

 僕がこの町にやってきたのはいわゆる都市伝説をまとめたインターネットの情報がメインではあるが、動画などを見ると案外噂話じゃ収まりきらない強さを持ってる。

 僕の由来の土地でもあるしね。

 見つけた情報はこれだ

・ある町の噂

・一旦入ったら出れない

・幽霊がいつも空を飛んでる

・ゾンビなような人が歩いてる

・冥界への扉がある

etc.


 噂の一覧をまとめた資料を再度確認しても言葉だけじゃ笑ってしまう内容だ。

 けれど、家で見た映像はその噂の一部始終を描いてる。

 要点だけをまとめると血だらけの撮影者が何者かに襲われて、噛みつかれ絶叫する。

 そんな映画じみた映像がインターネットにあったのだ。

 投稿者の行方は本当にわからず、投稿された動画は日付だけのまさにそのまま投稿した状態で消えたという印象を視聴者に与えた。

 とはいえ、かなりグロテスクというかお子様に悪い映像だったのですぐに削除された。削除されるということは増えるということなので、今じゃたくさんある動画投稿サイトで無限と思えるくらい増えた。

 そしてその消えた場所に乗り込もうとする動画配信者も続々と出現した。

 ただまぁその町にすら近づけないのが大半であり、検証できなかったのだという。

「……あっちか」

 山の中を彷徨い、ある地点を目指す。

 実のところ僕はその場所を見たことがあった。

 幼い頃に何度も足を運んだことがあった。

 なんたって僕が子供時代を過ごした場所なのだから、忘れもしない。

 ただ……噂話にでるようなことがあった記憶はない。

 そんな血だらけになるような事態が起こったこともなかった。

 噂は噂。

 そうなってしまうと、確認するという真相解明しか残されていない。

 ただの町で終わるのか、噂通りの町で終わるのか。

 あと数分で決着がつくだろう。

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っm バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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