はやい朝食
バブみ道日丿宮組
お題:早すぎた朝飯
はやい朝食
午前3時、突如として扉がノックされた。
「はい? 鍵なら開いてるよ」
こんな時間にくるのだから、妹か、あるいは友人か。
どちらもこんな時間に寮を徘徊してれば、処罰の対象になってしまう。
なるべく早足で、扉の前にたち、鍵を解錠して、扉を開くと、
「夜分遅くにごめんね?」
彼女が申し訳なさそうに立ってた。
「勉強してたから、大丈夫だよ。入ってくれ」
扉のところで話してたらいつ誰が通るかわからない。
人によっては激怒した挙げ句、正座のようなことをさせてくるかもしれない。あとは……夜遅くに女子生徒を連れ込んだとして、体罰を受けるかもしれない。
「ありがとう。へぇー本当に勉強してたんだ」
彼女はテーブルに並ばった教科書とノート、筆記用具を見つめて、笑った。
「違う勉強をしてるのかと思ったよ」
テレビに視線を向けた。
「深夜だし、確かにそういう勉強も悪くないかもしれないけどーー」
一呼吸。
「実践が一番経験値が貯まると思う」
そういって彼女を抱きしめると、しょうがないなという言葉と同時に両手を掴んでくれた。
「でも、こんなことをするためにきたんじゃないよ? ほら」
彼女は抱きしめ状態から逃げ、向き直る。
「お弁当作ってきたんだ。食べない?」
夜ご飯を食べたのが20時過ぎ。そこから何も口にしていないため、実のところかなりお腹が空いてた。勉強してると、しょっちゅう食べ物のことを考えてたし……。
「ありがとう。片付けるよ」
テーブルにあったものをまとめてカバンに突っ込むと、彼女が熊の刺繍が入ったナップサックから、小さい弁当箱がいくつか入ってた。
「ルーレット式だよ」
そういった彼女はカバンからルーレットを取り出して、机に置いた。
「普通に食べるんじゃないのか」
「今回はこうしたほうが美味しく食べられるんだ」
その言葉を信じて、俺はルーレットをしかたなくまわした。
はやい朝食 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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