第3話主はぽよぽよでした。

草原に着いて俺は大事な事に気が付いた。



俺、主の姿知らねーじゃん?



くそッ!

なんでもっと早く気付かなかったんだよ、俺!

おっさんに聞いときゃ良かった!!


それにしても…平和な眺めだ。

ホーンラビットじゃない角のない兎とかスライムとかしかいない。

なんかスライムも丸くてぽよぽよしてて可愛いし。


チュインッー。


…なんだろうか、この平和な眺めに合わない音は?

怖いもの見たさと言う奴だろうか?

ギギッと錆びたロボットのように音の方を見てみると、岩に小さな穴が開いていた。

しかも貫通してるってどゆこと!?


穴の線上に見てみると倒れたホーンラビットと周りと比べると色が不透明なスライムが居た。

周りと同じようにぽよぽよしているが、ホーンラビットを覆ったと思ったら一瞬にして消えた。


oh…。


え、なに?

無害そうに見えてホーンラビットより強いんですか?

え、周りに居るスライム達も?

え、え?

これで弱い魔物とかこの世界の魔物の強さどうなってんの?

俺、なんかチート出来る気がしなくなったんだけど?


がさり、と音がした方を見るとスライムが居た。


「ヒェッ」


え、やっぱり俺死ぬの?


しかし、そのスライムにまたあの不透明なスライムが覆い被さった。

そして一緒で消える。


うわぁー。

共食いもなさるんですね、さすが王道の魔物様です。

で、でも、きっと俺は美味しくありませんよー!?


いつ襲われるかと身構えていたが、スライムは何もしてこない。

んん?

首を傾げるとスライムはぽよりと揺れた。


なんだコイツ。


なんとなくそう思われている感じがした。

俺はなんとなく見つめ続け、スライムも微動だにしない。

今度はなんとなく困惑されてる感じがした。


そういえば、と思う。

チートにはよくある鑑定って出来るのだろうか、と。


「鑑定」


口に出すとブワッと目の前に文字が現れた。


【***/LV.*****

*******

HP.*******/*******

MP.*******/*******


称号

始まりの主


テイム

那須藤孝】


はい?

ちょ、ちょっと待って!?

ツッコミ所が多過ぎでしょ!?

なんも分からないし、てか、え?

スライムが始まりの主!?

俺のハーレムは!?


いや、それより、




「俺ってテイムされてんの…?」



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魔物にテイムされた俺 すぐり @you310

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