第十一章 新しい世界

魔王がいなくなって、その後、私たちは、裕福な生活を送っていた。町長になったはいいものの、支配というのは面倒なので、私は、何もしなかった。

「町長!町にクマが!どうにかしてくれませんか!?」

「町長!畑の管理をお願いします!」

今は、うるさい町民どものせいで、気休めをすることはできなかった。魔王は、きっと、あの世で罪を贖い、地獄で楽しく過ごしているのだろう。

 私たちの人生も、そう長くはない。輪廻転生して、魔王の生まれ変わりと会えたらいいな、と考えることもある。健は、あの後、亡き優作のところで楽しく過ごしているらしい。時折、私の町に来ることもあるが、互いに老いぼれて、会う機会はなくなった。

 私たちは、きっと輪廻転生をして、新しい世界でまた、巡り合うことになるだろう。その時は、だれも悲しまない、楽しい世界になっていることを私は願う。


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未来の勇者 カキピー @kakipisan

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