赤113
バブみ道日丿宮組
お題:赤い食卓 制限時間:15分
赤113
「なにこれ?」
「ハンバーグです」
ハンバーグ……なのか。見事に真っ赤な円。言われてみればそう見えることもあるだろうが、唐辛子を塗りまくった下手な料理にしか見えない。
「これ食べなきゃいけないの?」
ハンバーグを作ったメイドは頷く。
「ご主人様にはこのようにとお母様より」
余計なことをしてくれる。
親の世話をかけないために一人暮らしをし、事業も安定してきたところだというのに。
「……ううん、味見した?」
「はい」
こんなものを毎日食べれば……おそらく重症になる。
「辛かったか?」
「いえ、この赤色は香辛料の色でそうなってるわけではございません」
じゃぁどういうことと首をかしげれば、
「お医者さまに凄くよく効くサプリメントともらいました」
「……味見したんだよね? 医者ってことはあいつだよね?」
何度も頷くメイド。その表情は真剣なもので、とてもふざけてるように感じられなかった。
「医者か……」
お風呂に入るために作った研究の失敗作。あいつのお風呂欲求は気が引くな。いくら幼女と一緒にいたいからといって食べ物にふりかけるサプリメントを作るな、と。
そこで母と繋がるところはまさに友人といったところだが、
「それでそのサプリメントの効果は食べてからなにか出たか?」
「そうですね。なんとなく熱くて服を脱いで水でも浴びたい気分です」
「……そうか」
あいつの研究完成してるんじゃないか? いや……でも幼女に飲ませる口実がないか。なら、失敗してるようなものか。
成功作は飲ませるのでなく空気中に溶かすとなれば、もはやテロだな。そこら中お風呂に入りたい人で溢れかえる。その裏で一緒に入り続ける。普通に犯罪だ。
母はどうしてこんな友人のいうことを聞いて俺にちょっかいを出すのだろうか。よく遊びにきて様子を見てるからってこともあるが……自分でこい。
似た条件の即興小説
赤113 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます