青春を。
バブみ道日丿宮組
お題:苦い味 制限時間:15分
青春を。
学校生活というのは常に痛みを感じるものだった。
朝妹の布団ダイヴからはじまって、通学途中に幼馴染にラリアットをくらい、教室で委員長にハイタッチされる。挙げ句のはてにはお弁当の押し付けあい。
とても苦しい出来事だと、友人に話すと羨ましがられた。
『女の子に触られるなんて俺だったら毎日楽しいぜ。一度でいいから女の子が作る弁当が食べてみたい!』
変わるものなら変わってあげたい。でも、せっかく作ってくれたものを食べないわけにはいかないので、これは日ごとにローテーションをまわすことになったから少しは痛くない。
けれど、大本である問題は解決しない。体質だからどうしようもないのはわかるんだけど……なんとかしたい。
僕の体臭は女性から僕に対して警戒心をなくし、好印象を与え続ける。つまりは天然の惚れ薬が発生する。肩でもぶつかるものなら一目惚れされるぐらいの重症度。握手はデートへ誘われるイベントへ進行する。プールなんて入ろうものならば、僕の周りに女子生徒が集まり授業にならないほどだ。まぁ……わかってるからこそ、プールはいつも見学なんだけどね。
記憶に残ってるプールは家の庭に親が膨らませた簡易的なプールのみで数年も前の話だ。
親は親で子孫繁栄できる体質じゃないかとむしろ間違いが起こってくれてもいいのよと押しが強い。せめて妹の教育ぐらいしろとよとはさすがにいいたい。
そんなわけで、男子生徒の嫉妬攻撃も浴びるため……毎日が苦痛だ。
もっと普通な生活が送れるはずだったのだけど……どうしてこう神様というのはご都合主義を人に与えるのだろうか。僕がいったい何をしたのか。いや、前世でなにをしてしまったのか。
青春を青春したい。
青春を。 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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