ブラックボード

バブみ道日丿宮組

お題:隠された黒板 制限時間:15分

ブラックボード

「あれ?」

 朝登校してくると、あるはずのものがなかった。

 黒板があった場所に近づいてみる。

 そこにはたしかにあったという長年の後があった。四角い線。黒板を支えていた木の一部がそこにはついてた。

 つまり、黒板は落ちたか、あるいは取り外されたということになる。

 じゃぁ、どうしてなくなったのか。これについての解答に関しては今の時点で出せることはない。

 スクールバッグを背負ったままだしと、自分の席につくと、

「黒板?」

 ミニチュアサイズの黒板が机の上にあった。左上半分をそれは占めてた。

「なにこれ」

 触ってみると、固定されてるのか動かなかった。なら、文字を書くのはできるのだろうか、備え付けられたチョークで文字を書いてみる。

「……うん」

 きちんと書くことができた。間違いなくこれは黒板だ。

 しかしいったいなんでこんなものを教室内を歩き始めて、発見してしまう。

 どの机の左上にも黒板があったのだ。

 いったい……これは?

「お、今日もう着てたのか」

 声に振り返ると、ドアのところに担任がいた。

「今日から机にある黒板を使ってノートをとることになる」

「黒板なのですから、消したら残りませんよね」

 当然の疑問。

「黒板に保存ボタンがあるだろ? それで書いたやつを保存メディアで保存するんだ」

 なんて勝手が良いシステムなんだーーとは思わない。

 チョークを引き用具にするにはちょっとレベルが高い。

「あぁ、ちなみに水性ペンでもできるから大丈夫だぞ。いわゆるマルチタイプだからな」

 なるほど、チョークをあとで買わないといけないとか思ったが、そういうわけでもないのか。

「先生、前あった黒板はなくなってますが、どうなるんですか」

 先生がふふふと鼻息が荒くなった。

「なんとここにはでかいモニターが設置されます! ちなみに生徒たちが書いたこともモニターに表示させることができます。つまり、自分の席で解答することができるようになるのです」

 移動の手間をなくすためもあったりするのか?

「それで前にあった黒板はどこいったんです」

「どうしてそれを聞く?」

「単純に気になるからですよ」

 あんな大きなものいくつも外したとなると、処分に困るはずだ。

「ごめん。先生そこらへんは話聞いてなかったんだ。聞いておこうか?」

「いいです」

 それ以上会話は発展せず、僕は自席にある黒板で遊び始めた。

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ブラックボード バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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