みらい
バブみ道日丿宮組
お題:くさい悲劇 制限時間:15分
みらい
選ばなかった過去を進んでいれば幸せになれたのか。
いなかったはずの人間をいたことにすれば未来は変わったのか。
やるべきことができない現代をを放置すれば良かったのか。
平和になった社会。毎日のように思ってしまう。人間が幸せになるということは結局世界を壊すことなのだと。
「……おはよう」
目をあけた恋人に言葉をかける。
恋人は目をあけるだけで他に何もしない。
要求もしてこない。
「……」
装置に繋がれた恋人は人のようで人ではない。
人間と呼べるのは心臓があることと、目があること。それ以外は機械によって人工的に操作されてる。この装置がなくなれば一瞬にして死人となる。
恋人の状態が生きてると呼べるのであればだが……疑問に感じる人間も今や1割程度。この世界の9割がこのような人間のクズとなってるとは過去の人間は思わないだろう。
まぁ……過去の人間が現代に生まれてしまったからこそオーバフローしてしまったのだが。
「……今日は卵焼きのジュースだ」
機械を操作し、恋人へ栄養を送る。
「……」
美味しいともまずいとも言わない。植物のようで植物でない人間。これなら本当の植物を育てたほうがましだ。かといって植物を育てるにしては外世界は自然で溢れかえってる。わざわざ育てるのは無意味……いやそういう娯楽がかつてあっただっけな。
「はぁ……」
恋人から産まれた遺伝子を新しい機械に接続しなくてはな。
私と恋人の子供なのだから大事に育てなくてはいけない。
一呼吸。
機械操作を行い、恋人を下げ違う人間ーー子供を作る。
目と心臓にできた遺伝子情報を入れる。それだけの存在なのに気がつけば100人もの数ができた。これがなにかの役にたてばまだ世界復興を目指せたのだが、そんな力は子供にはない。
わたしにできないことがただの玩具にできるわけがないのだから。
「ふふ」
久々に子供を壊したい気分になってきた。
外に配置し、射撃でもするか。
みらい バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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