section15 抽選会

「大会まで二週間となるので残りの日数しっかり練習するぞ!」


加藤副キャプテンが珍しくビシッとした言動でチームをまとめている


「あれ?監督はどこです?」


いつも監督室でタバコを吸っている監督の姿が見当たらない。…タバコ切れか?


「…抽選会だろ」


そうだ今日は抽選会、赤城先輩と監督はいない日だ


「はい〜じゃアップ始めるよ〜」


加藤先輩の雰囲気が戻ったが顔は真剣だ


………



練習後赤城先輩と監督が戻ってきた


「相手チームが決まったぞ」


みんなが肩唾を飲み話を聞く


「1回戦は第2試合、内牧東高校だ」


…聞いたことがない所だ…なんかもっとこう強豪と当たるかと思っていた…


「大会では1回戦で姿を消すことが多いチームだが油断せずに行くぞ!」


「おおー!」


チーム全員の返事がグラウンドに響き渡った


「ちなみに2回戦はどこになりそうですか?」


「恐らく八嶋工業だな。打撃力のあるチームだ」


八嶋工業、毎年打撃力を武器に勝利を掴むチームだ。その反面守備はあまりよくはなく点の取り合いになる試合が多い。


「…俺らも先輩達に負けないように練習しないとな」


「おお!燃えてるな大聖!これは俺達も頑張らないとな!」


藤村もまたやる気に滾った様子だ


大聖達が自主練習も終えて帰る頃グラウンドにはまだ赤城先輩や加藤先輩が残っている


「うらっ!」


カキィン!


ティーバッティングでも一球一球集中している

額からダラダラと流れている汗をタオルで拭き、すぐに再開する

他の先輩達もそれぞれ自分にある課題を克服するために全力で取り組んでいる


「すごいな、先輩達。」


「あぁ特に3年生は気合いが入っているな。」


大聖達は3年生の努力する姿を目に焼き付けていた


「勝ちたいな。」


「…当然」


久甫も目に闘志が漲っていた



…あっという間に二週間がすぎ夏の大会、開会式を迎えるのだった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺たち魚川高校野球部! 調味料 @sitimi4651

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ