section14 怪物2年生
「よぉお前ら南雲に勝ったんだってな」
「は、はい」
昼休み、今日は弁当じゃないので購買にパンを買いに行くとたまたま須田さんと会った。この人は野球部の中でも別格だ。2年生ながら3年生を超えるような実力を持っている。しかし不良気質なところがあり学校と練習はサボり気味だ…週4なのに…
「ふーんこれで2年連続か…」
やはりこう見るとヤンキーにしか見えない。でもよく学校をサボっているが最近は毎日来てるらしい…とうとう単位が危ないのか?
「2年連続っていうのはなんですか?」
「あぁ毎年ゴールデンウィークの最終日にどっか強いとこと試合するのが恒例になってんだよ、でその試合に勝てたのが2年連続なんだ。ちなみに去年は北寧とやったんだぜ」
「ほ、ほくねい…」
北寧学園。この県でトップクラスの強豪校だ。甲子園には春夏あわせて7回出場。10年前には春夏連覇の快挙を達成している
みなみに最後に甲子園へ行ったのは4年前。
「えーとみなみにスコアの方は」
「あーたしか2-0だ。終盤まで0-0でよ延長11回までいっちまったんだ。堂前のツーランでやっと勝ち越せたんだ」
堂前先輩。この前の平川高校のスーパールーキー杉並照史からもホームランを打っていた
「もしかしてですけど須田さん全イニング投げたんですか?」
「当たり前だろ。他にいねぇし」
延長11回を1人で完封?!やっぱりすごい人だ…あれ?
「あれ?…でも監督は1年生全員を見るために継投するんじゃ…」
「あぁそれならあいつに直接直訴して無理やり投げてやった」
………やっぱりすごい人だ…別の意味で…
「そういえば最近毎日部活最初からいますね。」
少し聞くのが怖かったが大聖は勇気をだして聞いてみた
「…当たり前だろ?」
須田が向こうへ振り向きながら言った
「…あと2週間で3年生は引退だ、1イニングでも多く俺が0に抑えて甲子園へ行く」
まさか須田先輩からそんな言葉を聞くとは思わなかった、意外と先輩への思いみたいのがあるんだろうか
大聖は購買でパンを数個買い教室へ戻った
「おお大聖!何買ったんだ?」
「いつも通りだ」
「どうした?」
「藤村…甲子園目指すぞ…」
「へ?」
大聖もまた決意を固めたのだった
to be continued
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