人の顔の仮面をかぶった怪物

5話構成の作品ですが、そこに込められた喪失と恐怖の濃度は粘りつくほど。
人間らしい愛すべき善良な主人公と対比される前妻。
彼女の内面は直接語られません。主人公の目を通して浮かび上がる彼女の姿。その恐ろしさ、浅ましさ、得体の知れなさ、そして、悲しさ。
主人公を支えてくれる人たちのお陰で読後感は悪くありません。
読書でしか得られない大人の愉悦をどうぞ。

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