死因不明

「わたし」の話・結

　どうして死んじゃったの？　心当たりないよね、知らないよね、わからないんだし気にすることないよ。

　わたしは前触れなく死を選んだ親しいクラスメイト、としてあの子たちのなかではあっという間に『知らない子』になっていくのだ。

　悔しくて涙が出た。

　何に悔しいのかはわからなかった。

　ただ悔しくて悲しかった。

　だからわたしは、死ぬのをやめた。

　生きて、ずっと覚えていくのだ。

　この言葉にならない気持ちを、ずっと。

　そしていつか、同じ気持ちを抱く人に出会ったら、

「わかるよ」

　って言ってあげるのだ。

　きっと、それだけでいいと思うから。

〈死因不明／完〉