家
バブみ道日丿宮組
お題:素人の床 制限時間:15分
家
お金に余裕ができたのでリフォーム工事をお願いしてみた。
爺ちゃんの爺ちゃんから存在してる歴史ある建物。今じゃ歴史的建造物として数えられる一つでもあるらしい……がそれはあくまでも外がそうなわけであって中身はそうでもない。
ぼろぼろのぼろぼろ。個人で修繕した箇所がところせましと広がってる。
爺ちゃんたちの快適な生活というよりは、俺の老後の生活を考えて早めにやっておいたほうがいいだろうというのが本音ではある。
完全に人が住める場所ではなく、見るための建物にするという案もあるにはあったが生まれ育った場所がなくなるというのは嫌だった。
まぁお金をお前が出すのならという両親の適当具合には勘弁したいところだったけど、了承は取れた。あとは実行するだけだ。
「お兄ちゃん最近また床に穴が空いちゃって」
「おう、悪いな家のこと放って置いて」
「ううん、お兄ちゃんがやりたいことをやるには出てくしかなかったと思う」
妹の頭を撫でると、うにゃ~というへんな鳴き声で返してきた。
妹の服装は巫女服ーーそううちは神社でもあった。
本当だったら俺が後を継がせようという爺ちゃんの想いがあったんだけど、俺はゲームを作りたくて断ってたんだ。その結果として妹が後を継いだ。
ん? 両親は継がないのかって?
宗教的に無理とかなんとかいって住んでるけど、手伝いをするのは孫たちで……という感じ。父さんの実家なんだけど……俺と同じで肌が合わなかったらしい。
爺ちゃんの身の安心をして実家住みで外に働きに出てるということだ。そこまでの想いなら継いでも良かったんじゃないかなとは思うが爺ちゃんは強く言わなかった。
妹が自分から言った時泣いてたのが印象的だった。両親ともいたたまれない表情を浮かべてたしな。
まぁなんにしてもリフォームだ。
「バリアフリーとか一般客に見てもらう部屋とかも作ってみるかな」
見物客が多いほどお金が手に入る。
お金が入れば雇用の数を増やすこともできる。
今でも……結構いるけど……専門的な人を入れたい気持ちはある。見栄えはある程度抑えておきたい。ゲームでもクオリティアップを怠れば、ただのゲームでしかない。
唯一であり、反応がよい。そんな場所にしたくもある。
「そういうわけで今日これから時間あるか」
「うん、大丈夫。今日の仕事は終わってる」
妹が着替えるのを待って、俺達はデザイナーさんの会社へと向かった。
家 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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