1.いつもと変わらない1日
俺の名前は桜井誠太。都立高校に通う高校2年生。趣味は鉄道と自転車、部活はサッカー部に所属している。
もう5月も後半。ようやく新しいクラスに慣れてきた頃ではあるが、そこまで楽しいとは思っていない。
普段は、電車の運用確認表や自転車の動画を教室で眺めてるか、サッカー部の奴らと絡むことしかしてない。
「ふぁぁー、眠い眠い。さて、運用確認でもするか。」 「桜井くん、また運用確認やってんの?私にも見せてよー!」
突然声をかけてきた女子は、クラスメイトの薄原心来。あまりクラスでは目立たないが、よく俺に話しかけてくる女子だ。ちなみに彼女も鉄道ファンだ。
「急にどうした?ミツBでも乗りたいの?」
「うん、もう最近全然乗れてなくてね。久しぶりに乗りたいの!特にB11に乗りたいな。」
「編成にもこだわるんだな。帰りにちょうどいい運用に入ってるから乗れば?」
「うん!乗ってくる!」
本当に電車の話になるとイキイキするんだよな。まあそういうところが好きなんだけど。
部活が終わり、家に帰る時間になったのだが、水曜日ということで帰りが大変だ。水曜日は定時で帰る会社員が多いので、通勤電車も普段より混む。
電車の中で天気予報を見てると、明日は1日大雨と言っていた。 「明日は傘持たないとダメだなぁ。」と独り言をつぶやく。
家に帰ると俺は、いつものように鉄道の本を読む。鉄道雑誌には鉄道の魅力や旅の裏技などが書いてあるので、非常に面白い。俺は毎日3冊くらい読み返している。
雑誌を読んだあとは風呂に入り、晩飯を食べてからまた、鉄道雑誌を読むか一眼レフカメラで撮影した写真を見返す。鉄道ファンの俺にとっては楽しい時間だ。
雨降る夜に君は笑う 大山彩斗 @saito_oyama
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