雨降る夜に君は笑う

大山彩斗

プロローグ

土砂降りの中、俺は急いで四ツ谷駅に向かってた。

大粒の水滴が新宿通りに水溜まりを作っていく。

傘をさしてても脚が濡れるくらいの強い雨と暴風のタブルパンチだった。

「あれ?○○?何してるの?」

「傘を忘れたの。だから駅まで行けなくて。」

「今日は大雨って天気予報で言ってただろ。天気予報見なかったのか?」

「ごめん、最近天気予報見てなかったから知らなかった。」

「天気予報くらい見とけよ。ほら、俺の傘貸すからそれ使いな。」

「あ、ありがとう。でも桜井くんの傘は?」

「もう1つ折り畳み傘あるから安心しろ。じゃあな」

本当は予備の傘なんて持ってなかった。だけど、好きな女の為ならこれくらい平気だ。

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