不思議な魅力のある作品

改行が少なく行間も詰まっているのでWeb画面ではかなり読みづらく目が滑る。
ストーリーに関係の無い無駄な文や描写が多い。
主人公の性格が短絡的・刹那的で感情移入がしづらい。
冒険者や貴族のほとんどが頭が悪すぎるし、とても組織を運営できるとは思えないほど能力が低い。

羅列すれば小説としては致命的なほど欠点の目立つ作品と言えるだろう。

だが、主人公が作品のような性格になっているバックボーンはしっかりと描かれているし、どこか納得できる部分もある。
それになにより、読みづらいのは間違いないのにどんどん読み進めてしまう不思議な魅力のある作品。

敵役のキャラクターは思慮が浅く頑なで情けない。
主人公と敵対しつつも魅力のあるライバルや、未熟な主人公を支える作り込まれた脇役などが居ればもっと深みが出るのではないだろうか。
老婆心ながら偉そうにそんなことを考えてしまうのは、私が作者に嫉妬しているからなのかもしれない。

総じて評価するなら、欠点を補って余りある面白さ。
それを理解してくれる読者が沢山居るということが、この作品の力を示していると思う。

こういった作品は批判や暴言が寄せられることが多いだろう。
けれど、レビューや感想を必要以上に気にすること無く、自分が書きたい、面白いと思う作品を書き続けていってほしい。

間違いなく素晴らしい作品なのだから。