魔術
バブみ道日丿宮組
お題:茶色い水たまり 制限時間:15分
魔術
外に出ると水たまりが目に入ってくる。
雨が降ったわけでもないのにそこら中にあるそれは、茶色できれいとはいえない。
おまけにひどい悪臭すらする。その癖なにか呪を感じる並び方。
『魔術関連ですかね』
脳内に声が聞こえ、
「どうだろう」
首をかしげる。
『警戒はしておいたほうがいいと思います』
「いざってときはお願いね」
はいという言葉を最後に脳内に気配がなくなる。
私は人工魔術師、それも別人格を持つ異端。
別人格は昔から奇病と言われており人々から恐れられてた。恐れられるのも当然のことで事件をよく凶暴な人格が起こしてたからである。
昼間は優しい人、夜は凶暴な人。
「……」
この水たまりを作ったのはそんな異端者ではないだろうが、凶暴の可能性は捨てられない。
水たまりの側まで歩き、しゃがみ込む。
異臭はやはり水たまりから発生してるものであって、よく見てみれば人の髪の毛のようなものがいくつか浮いてた。
つまりは血が混じった水ということ。これがなんの魔術の触媒なのかはわからないがこのままにしておくのはよくないだろう。
カバンから結晶を取り出し、水たまりに入れる。
破門を作り上げた結晶は水たまりを瞬時に凍らせた。
「……ふぅ」
呪詛返しのような反魔術はどうやら仕掛けられてないようだ。
1つに細工されてないなら後も同じだろうと、結晶を次々に投げ込む。
一通り作業が終わると、季節に合わない氷が貼った景色が生まれた。
あとは言霊を作り、完全に破壊するだけだ。
「JUS」
本来であれば別人格にこの作業もお願いするのが吉なのだろうけど、過剰防衛すぎるのはよくない。いざってときに起きてくれる方が効率がいいだろう。
「しぅ」
氷は青い光を放つとなくなった。
残ったのは人工の道ーーアスファルト。
それを確認して、私は学校への道を歩き始めた。
今日始まってすぐこれだとおそらくーー。
魔術 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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