第4話 夢への第一歩
浅間の事も頭に入れつつ、受験本番。センター試験でも、いつも以上の点数が取れた。さあ、そのまま2次試験だ!!
2次試験当日…全てを出さなきゃと少し力んではいたものの、全力を出し切った感はあった。
兄貴の方はというと、親を少しは説得して、半分は押し切った形だけど、地元に新しくできたアニメマンガ専門学校の声優コースに入学することに♪少しは夢に近づけるのかな~やりたいこと、夢を追いかけもせず、諦めるなんてやっちゃいけないんだ。
少しはこれで、満足できるかな~本当にデビューできるかどうかは別として…
私の高校生活も残り少し、後は合格発表を待つばかり…前の世界では、2年越しでもダメだった医学部…まあ、前の世界では1年以上勉強もせず打ちひしがれて引きこもりだったのだが…高校時代に彼氏も欲しかったな~と思いつつも今回は勉学に励んでみた。私に気を持ってくれるような輩もいなかったのだけど…。
さあ、合格発表当日。受けた大学の寮にはまだ兄貴がいた…。兄妹で仲良く合格発表を掲示板に見に行った。実は、前の世界でも高校受験の時は、兄が合格発表に付き合ってくれた程だった。
そして、掲示板に目をやると…
あった。自分の番号が。兄も確かめてくれて夢でないことがわかる。念願の医学部に合格。でも、医者になるにはこれからだ。留年もせず、無事に医師国家試験に合格しなければ。まだ、スタートに立ったに過ぎない。
兄の付き添いの元、手続きをしたり、寮の手続きをしたりと多忙し…。当時寮長をしていた兄はそのまま妹が向かいの女子寮に引っ越しができるように、特別に荷物を置かせてもらっていた。寮長の特権を使いまくり…。相変わらず、〇〇長と言うものを押し付けられるのが大好きなようだ…。おかげで、引っ越しも楽に済ませられた。
そして、入学式当日…。あれ、遠くに浅間の姿が見えた。
浅間…前の世界では同じ大学の工学部に居たが、今回はどうなんだろう…と思っていたが、学部が違うので試験会場では見かけなかった。
「何学部?」
浅間の方から、話しかけてきた。
「医学部。そっちは?」
私も、聞いた。
「工学部だよ。教養くらいは一緒になるときもあるかもな~また、よろしくな」
浅間もフランクに話しかけてくれたが、未来を、元の世界を知ってそうなこいつと、また微妙な距離で過ごすのかと、少し武者震いがした。秘密を秘密のままにした方がいいのか、何が正解なのか。この状況は、ずっと続いてくれるのか…。悩みは尽きない。でも、前を向いていくしかない。二度と後悔しないためにも。
気が付いたら25年前に戻っていた 優美 @yuubi_miyu
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