彼女の世界

バブみ道日丿宮組

お題:ロシア式の天才 制限時間:15分

彼女の世界

 さぁ劇をはじめようと彼女はいった。

 そこからすべてが確かにはじまった。いや……すべてが終わったのかもしれない。


to.


世界のあり様が彼女が解き明かしてまず国というものがなくなった。都市はあるが違いはない。どこにでもある街並みが作られてる。

 一度すべてが消え去ったとは到底思えないが、現実は違う。

 もっとも僕だけが覚えてるだけであって、他の人は死んだ記憶さえない。


 from.


 彼女の劇のはじまりは僕との出会いがきっかけだという。

 それが本当なら僕は死んで生まれ変わった人になんて謝罪をすればいいのだろうか。彼女は世界のきっかけとなったのだから喜べと言ってくるが……僕はそんなに強い精神を持てない。ただでさえ記憶という1つのパーツが皆と違うんだ。これ以上の変化を求めたらおかしくなりそうだ。


next.


 彼女は天才だった。

 それは世界を破壊して、より良い世界に産み直したのだから間違いない。死ぬはずだった生命は皆違う形ではあるが姿を残したままだ。

 子どもの頃かっこいいと思ったティラノサウルスがそのへんを歩いてるといったら誰が信じるだろうか? 肉食が肉食でなく、草食が草食でない連鎖。僕には不思議でしかないよ。


 final.


 すべてが上手くいってるようでそうでもなかった。

 彼女は僕との付き合い方は難題だといつも愚痴をこぼしてる。僕だって同じだ。世界の創造主とのコンタクト方なんて知らない。ただの幼馴染だったときでさえコミュニケーションに困ったぐらいだ。

 可愛い。

 その言葉が崩れない彼女。そのはずなのに世界は彼女をそうとは思わない。それは彼女が創造主と認識しないように作り変えた結果かららしい。

 だからこそ成長し可憐に変わった今も何不自由なく過ごせてる。そのへんにアイドル並みの少女が歩いてるのに声すらかけられないというのはある種異常だ。


re.


 彼女は隣にいる。

 僕がどんだけリアクションに困ってても居続ける。

 それが彼女が望んだ世界なのだからーー。

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彼女の世界 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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