1話 入学
俺は
家から学校までは徒歩10分だが……。 何があるか分からないからな。
1
8時半。学校についた。30分前だというのに生徒やその保護者たちがワイワイ集まって騒ぎ立てている。
俺はその人でごった返している正門入口を潜り抜け、クラスが書いてある下駄箱入口へと向かう。
下駄箱入口へ着いたがやはりそこも生徒たちでいっぱいだ。
仕方ないから俺は待つことにした。
8時45分ようやく生徒たちがばらけだした。
俺は急いでクラス表を見に行く。
そこには「2組 19番 桜伊月」と書いてあるのを確認した後、俺はすぐに校舎に入り、3階の教室へと向かう。
もうあと10分程で入学式が始まるからか廊下には生徒誰一人いない。
その廊下を俺は駆ける。
「はぁ……はぁ……」
息を切らしながら教室のドアをガラっと開ける。
誰もいないと思っていた教室。
そこには一人、窓から外を見ている顔見知りの女子生徒がいた。
「ま…
思わず声が出てしまった。
「伊月…」
少しの沈黙。
「また同じクラスだね! よろしく! ……じゃあ、私そろそろ行くね」
「お、おう…。 また後でな」
真理愛は、「うんっ!」と言って教室から去る。
気まずい雰囲気を彼女が脱却してくれた。
やはり可愛いと思ってしまう自分がいた。
「いっけね、もう恋なんてしないって決めてたのに……」
不意に芽生えた感情に苛立ち、教室を後にする。
なぜかその後の入学式はあまり集中出来なかった。
嫉妬と友達 水無月 @kisaragi1007
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