嫉妬と友達

水無月

第1話  プロローグ

 ちょうど中学一年生の夏人生で初めて告白された。


 その子は小学生のころからずっと一緒だった西宮真理愛にしみやまりあという子だった。


 真理愛はコミュニケーション能力が高くて、すぐに初対面の人とも打ち解けあい、みんなからも評判がいい。


 対する俺は、特にこれといった特技はなく、サッカー部には入っていたが、あまり目立つ存在ではなかった。


 だが、こんな俺に告白してくれたのは真理愛だったのだ。 


 告白されたとき、一瞬何を言われたのか分からなかった。 どっきりかとも思った。 なんせ真理愛なら俺よりも、もっとレベルの高い男を狙えるはずだ。


 けれど真理愛は俺がいいと言ってくれた。


 俺はそれが純粋にうれしかった。 何を隠そう、俺も真理愛のことが好きだったからだ。


 俺は告白に「こんな俺でよければよろしくお願いします」と、答えた。


 真理愛は泣いて喜んでくれた。 俺はそれがまた嬉しかった。


 だが、そんな幸せはそう長く続かなかった。

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