アルパカのいる家庭

バブみ道日丿宮組

お題:アルパカのにおい 制限時間:15分

アルパカのいる家庭

 お前の眠る部屋は家にないからと両親に追い出された俺が向かった先は、子度の頃から一緒に育ったアルパカたちの小屋。アルパカたちは俺を歓迎してくれるようで、キレイな声を聞かせた。

 小屋は冬だから暖房もしっかりしてて、案外悪くない。草の上で眠ることは牧場性活でなんどもやったことだから集めていい感じにできる方法は確立してる。

「……ごめんな。決着はつけるから」

 アルパカを撫でると嬉しいのか声を上げた。昔からやってあげてるから、もしかしたら覚えてるかもしれない。兄弟のように思われてるといいな。俺は頼りない弟。アルパカは兄さんたち。

 いいアイディアが浮かべばいいなと、空を見上げたとき、

「兄さん、本当にこんなのところで寝るんですか?」

 その声に振り返れってみれば妹が薄着で首を傾げてた。

「私は兄さんのあの屋敷で一緒にいたいです」

「そうだな。一緒になれたら同じ部屋でもなんでもしてあげる」

 にっこりと妹が笑う。

「じゃぁ今からそうしまよう。兄さんに匂いがついてしまう前に」

「かれこれ1時間は一緒にいたからもうついてるだろう」

「でしたらお風呂に入ってたいただきます。もちろん私も一緒です」

 ラッキースケベという状況なんだろうけど、わりと妹は俺とお風呂に入りたがる。9割の確率で一緒に入ってるのだからもういつものことだわりきれる。

「わかった。静かに戻りたいから、お前の館に忍び入るよ」

「はい! 準備して待ってます!」

 足音が遠ざかってく。

 さて妹とお風呂か。成長の確認と、次世代のための施し。いろいろやることがある。なのに両親たちは俺を外すというのはいったいどういった見解なのだろうか。

 確かに長男ではないし、次男でもない。一番下の三男……だからといって、その関係が壊れるとは思えない。これは……妹の関係を確実なものにして父親と母親の前に問い詰める必要がある。

 それによってはこの家から離れることも計画しておく必要がありそうだ。妹は連れていきたいが状況次第。勢いに任せることにする。

「お前たちもそう思うか?」

 アルパカは静かに俺の問に鳴いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アルパカのいる家庭 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る