人の世界
バブみ道日丿宮組
お題:混沌のアパート 制限時間:15分
人の世界
魔族が人間の社会に入り込んでから、
「あ、おはようございます」
「どもー」
お隣さんに魔族が入ることが多くなった。ちなみに氷刃族。手と足を冷たい刃物に変換できる種族らしい(俺は見たことがない)。
魔族が悪い人なのか、良い人なのか違いはわからない。襲ってくることがそもそも悪いことであるのか? いい物をくれることが良いことなのか。人間のデータでは対処しづらい。
魔族は人間というある種の普通の動物は対応を日々困らせてばかりいる。同じような特殊性癖持ち主がいれば多少対策はできたのかもしれないが、例外的な特殊性癖が産まれることは極小。普通しかいない。
「剣聖さんも大変そうですね。アパートの管理人やらないといけないとは」
同室のサキュバスが目覚めたので、
「いいから、血を飲め。他を襲われたら困るからな」
「いいんですかー? 私のダーリンの血であたしを染めちゃって」
「いらないんなら今日はなしだな。点滴のストックでもご飯にさせておくよ」
にっこり笑顔を作る俺と、顔面蒼白のサキュバス。答えはもう決まってるようのだな。
「じゃぁさくっと頼むぞ」
腕をめくり、肌を露出させる。
「はいはーい! がぶ」
噛まれた一瞬はちくりと痛みがするのだが、段々と気持ちよくなってくるのがサキュバスの牙の効果だ。興奮してる人物の血に変換するために修正が変わった行動とも言われる。
「ただの人間にしてはいろいろ混ざってますし、夢のある味でございます」
「親が魔族混じりだからな。俺も人と呼べる人なのかは怪しいところだ」
「誘惑が効かないのだからそれは小さながらあるんだと思いますよ」
「そうか。じゃぁ食事の準備をするか。手伝ってくれよ。食わないかもしれないがな」
はーいと可愛らしい声が聞こえたあとには、ふたりで台所で料理をはじめた。
これももうなんかいになったかわからない日常の日々。
そして今後も続けていきたい意思でもあった。
人の世界 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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