押し寄せるような勢いのある一人称での語りと状況描写。圧倒的な迫力があります。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(149文字)
私の自主企画から参りました! 登録ありがとうございました!どんどんと侵食されている日常ですが、もしかすると、はじめから歯車は食い違っていたのか、と思いを巡らせるような気になってきました。文字が魔力を持つように、どんどんと引き寄せられているようでした。まるで、井戸の底のように、ほんの少し開いた扉の向こうのような、覗いてはいけないのに、なぜだか目が離せない。背中に気配を感じるような、ひりひりとした冷たさを感じる作品でした。
猟奇的なのが初めから伝わってきて、途中で読むのやめました。怖いんだもの……
詳しく語ることはできません。主人公が一体何をしでかし、また、何を成し遂げたのか。それを刻銘に描くべく、一人称でお話が進みます。が、このお話の特徴はそれだけにとどまりません。ほとんど「、」がないのです。これは下手をすれば読みづらさを発生させますが、主人公の脳内で湧いてくる様々な感情、思考を追っていくにはうってつけの手法だったといえるでしょう。この怖いもの見たさ感、煽られる感覚、『普通の』文芸作品では味わえません。勇気を持って、是非ご一読を。