第13話  誕生日の告白

 結夏との同棲を開始して2年が経ち彼女と僕は許嫁になりこの生活も当たり前な日常となっていた。


 そしてこれからもこの幸せな生活を続けていきたいと強く願っている。





 日曜日。

 一週間降り続いていた雨も止み珍しく外は晴れている。


「えい君!今日は二人でショッピングに行きましょう!」

「え? なんで」

「だって冷蔵庫も空っぽで最近えい君とデートできてないんだもん」


 で、デートぉッ!?

 今までのショッピングや外での外食は結夏にとってデートだったのかッ!


「う、うん。じゃぁ用意するから待って」





 服を着替えショッピングに行ける準備をして僕らは家を出た。

 久しぶりに二人並んで外を歩く。


 彼女の横顔は綺麗で服もおしゃれ。

 僕とは対照的でスタイルも良く優しい彼女は天使のように見えた。


「ねえ、さっきからチラチラ見てきてどうしたの? なにか髪に付いてる?」

「いや、そうじゃなくて……」


 僕は焦って目をそらした。


「あ! 綺麗……」

「ん!?」


 彼女が眺めていたのはお洒落な看板が立ったジュエリーショップの窓ガラス越しから見える無色の輝く宝石が付いた綺麗な指輪だった。


「うん、でもまだ私には早いかなぁ〜。いいなぁ」






 僕と結夏はショッピングを済ませショッピングモール内にある飲食店で昼食をとり家に向かって帰っていた。


 僕は決心し、口を開く。


「結夏、来週の土曜日って誕生日だよな」

「うん!もしかしてお祝いしてくれるのぉ?」

「あぁ。プレゼント用意しとく」

「うん!」


 僕は明後日の結夏の誕生日に告白する!






 翌日。

 僕は昨日行ったショッピングモールに放課後行き彼女が気になっていた指輪を買いに行った。


 高い……


 指輪の値段は思ったより高くて買うか迷ったもののこの指輪しかないと思い切って購入した。


 指輪に付いた宝石はアイオライトと言う無色の綺麗な宝石で7月2日の誕生石。

 僕は大事にケースに入れて持って帰った。






 あれから一週間が過ぎついに結夏の誕生日がやってきた。

 朝起きると結夏はいつものようにキッチンで朝食を作ってくれていた。


「えい君おはよう」

「おはよう。それと誕生日おめでとう」

「うん!ありがと」


 結夏は笑顔を見せ応えた。

 それから僕は言った。


「今日の夕方、僕たちが初めて話した曲がり角に来てくれないか?」

「うん、いいけどなんで?」

「それは後のおたのしみという事で……」




 ——そう、僕はあの日の朝結夏に告白されたあの場所で結夏に告白をする。





 学校に着いてから緊張が止まらない僕は自分の席にうずくまっていた。


「なぁ栄汰、お前なんか緊張してんな」

「まぁな。今日結夏に告白するから」

「え?!まじかよ。でもお前らってもう許嫁なんじゃねーの?」

「あれは親が決めたようなものだからはっきりさせたいんだ」

「よく言った!お前なら大丈夫だ」

「おう」


 隆平は僕の背中を強く叩いて応援してくれた。

 こいつと親友で良かったと改めて思う瞬間だった。






 放課後になり僕は約束した曲がり角で結夏を待っていた。

 すると曲がり角から結夏が出てきた。


「ここ、なんか懐かしいね」

「だな……」

「なぁ結夏。伝えたいことがあるんだけど」

「え?なに?……」

「僕、結夏と出会ってから毎日が楽しくて幸せで結夏がここを出て行った時は前まで当たり前だったことが急に無くなってしまうと辛くて苦しくて耐えられなかった。だからもう二度君を手離したくないんだ」


そして深呼吸して言った。


「僕と結婚してくださいっ!」



 僕は指輪を出して彼女に告白をした。

 少し間が空いて彼女は言った。


「もっと早く言ってよぉ……。バカ……」


 それから彼女は僕を強く抱きしめた。









 アイオライトの石言葉……愛を貫く。














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僕のストーカーはクラスの美少女だった。 星海ほたる @Mi510bunn

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