規制された世界
バブみ道日丿宮組
お題:隠された宴 制限時間:15分
規制された世界
禁忌とされてることは多々ある。
人に乱暴しないとか、自然を壊さないとか、その数はなんと数百にも及ぶ。
その中でも一番いけないことは、宴だ。
いわゆる宴会もその中に入る。おかげで居酒屋は廃業となった。一部は飲食店としてなんとかやってるみたいだけど、
「お気に入りだったんだけどなぁー」
「そだね」
未来はどこも同じだった。
周囲に視線をうつすとその寂れぐらいがよくわかる。
あけたままの扉、壊れた窓、舗装がされてない道。
そして危険と書かれた看板。その言葉通り、いろんなものが散らかってる。私たちが知らないだけで死体が転がってたりもするらしい。
視線を街の奥へと向ける。この先には行ったことはない。もしかしたら新しい飲食店ができてるかもしれない。
そう考えた私は、
「もうちょっと先までいってみる?」
彼に問うと、
「実はさ……」
なにやら意味深な表情を返された。隠しごとを普段しない彼からするとそこには重大な何かがあるかもしれない。
「今度宴があるんだけど、一緒にいかない?」
「宴……? 大丈夫なの!?」
周囲を一応確認してみたけど、人の影はない。あるとすれば建物の中。とはいえ……寂れたこの街道に人がいると思えない。
最後まで残ってたのがこようと思ってた飲食店だったのだし。
「あぁなんでも招待状を持ってる人だけが入れる特別仕様らしい」
「招待状……? じゃぁ行ったとしても私たちも入れないんじゃ?」
それにそんな特別なことをすれば、政府の目が必ずというくらいに介入してくるものだ。ニュースにもとりあげられたりしてるし。
「なんとここに二枚あるんだ」
彼はかばんからおもむろに2枚の古いチケットを取り出した。
「それほんとうにいけるの? どう考えても数十年は経ってそうな……」
ところどころがやぶけて、虫に食われたのか穴すら空いてる。
「大丈夫さ。これで昔父さんも宴に参加したみだいだから」
「へぇ……そうなんだ。じゃぁ行ってみる?」
あぁと頷く彼と、一礼をなくなったお店にすると仲良く帰った。
規制された世界 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます