洒落と人付き合い

お題：ワイルドな駄洒落 制限時間：15分

洒落と人付き合い

　駄洒落とな？

　普段そんなこと考えて行動してるわけじゃないので、駄洒落と言われても思いつかない。

　関西の人はとっさに浮かんだりするのだろうか。

　仮に自分が関西に住んでても……そうはならないとは思う。

　まず第一に言葉にするという前提が難しい。

　喋れないということはないが喋るということに必然性を感じてない。言葉などなくても伝わることが多いのだから当然か。

　ほら、国が違えば通じないのだからなおさら必要ないと思う。

　スマホのSNSで言葉を送れば相手に伝わる。もちろん言葉を作らなきゃ伝わらないものというものはある。

　大好きだとか、大嫌いだとか、きもいとか、可愛いとかの感情が詰まったものは言葉にすると強さがある。私はまず使わないから関係ないか。

　それでそういうことを冗談で言う人もいるとかなんとか。そういうのがおそらく駄洒落というものに属するんじゃないかと思う。

　好きでもないのに好きという駄洒落が面白いのかさておき……。

　面白い話をしてというのがSNSでまわってきた。

　自分の思い出で面白いことがなにかあっただろうかと深い思考に入って、かれこれ数時間が経過してる。他のSNS参加者たちは次々に話を書き込んで盛り上がってる。

　1人だけ会話に参加してないのは異様であり、なにかないだろうかとは思うのだが……。

　ないものない。

　それは絶対に変えられない。

　ならば、作ってしまえばいいのか。

　普段面白いことを考えない人間がか？

　いや……普段面白いことをずっと考えてる人間はいない。誰もが思考したのちに言葉を出す。もちろん、脳から直結して口から出る人もいる。そういう輩は異端として嫌われたり、離れたりするものだ。

　そんな……状況になりたくはない。

　話せないならSNSに入ればと友だちに言われたから入ってはいるが、友だちの輪というのはなくしたくない。不思議系と言われても自分のスタンスは変えられない。

　なら、聞いたことのある都市伝説を書き込んでみようか。

　ある種ホラーというのはシャレオツ感があるから、駄洒落として使えるかもしれない。

　決まったならあとは書き込む下準備をしよう。

　スマホのメモ帳を開き、概要をすらすらと打ち込む。

　きちんと話の流れを書き込まないと理解されないし、ゾッともしてくれない。貯めも必要だし、落としどころも必要。

　実に難しい。

　半分ぐらい打ち込み終えると、朝日が見えてきた。

　学校に行くまでに完成させたかったけど、こうなったら学校で完成させるしかない。

　そして休み時間をふんだんに使い、放課後になると5万文字となる都市伝説が完成し、投稿したら話が長いと怒られたのが、話の幕引きだ。