研究旅行

バブみ道日丿宮組

お題:昨日の女祭り! 制限時間:15分

研究旅行

「昨日はひどいものをみたよ」

『それは災難だったわね』

 電話先の彼女はとてもつまらなそうに応えてきた。

「裸の女性が走り回るなんてあまりにも業が深いよ」

『あらよかったじゃない。おっぱい好きでしょ』

「好きだけど、時と場合によりけりでしょ?」

 深い溜め息が聞こえた。

「もちろん、君のはいつも見ていたいと思ってるよ」

『そういう意味で言ったんじゃないわ』

 ならどういった意味で言われたんだろうか。

 胸の格差社会というのがあるのは知ってるが、彼女はそこまで小さくはない。まぁ……大きくもないのだが形はいい。キレイだとも思う。

『何黙ってるの? もしかしてわたしを想像でひん剥いてるんじゃないでしょうね』

「よくわかったね。ひん剥いてはいないけど、昨日見た肌たちと比べてた」

 最低!という叫び声が耳に響いてくらくらする。

「大体君が一緒に来なかったのが問題だろう。僕に落ち度はないよ」

 大学の文化祭の準備があるからと旅行を断ったのが彼女だ。

 ちなみに旅費は教授から出されたもので、研究の一環としてこの場所に訪れたのだ。

『そりゃ行ければいったのだけど、さすがに誰もいない研究室ってのはよくないでしょ?』

「そこの研究室の主たる教授がいないのも問題だと思うよ」

 研究室に所属する全員に『世界を知れ』と言ったのが教授だ。

 そんな教授のために文化祭の準備を1人でするなんてほんと我が彼女ながらわからない。おかげで僕は1人旅行をする羽目になってしまった。

『あなたも一緒に残って準備してくれればよかったのに』

 こうやって電話するじゃなくて直接話したいと彼女はさらに言葉を続けた。

「そりゃぁ文化祭も大事かもしれないけど、まず僕たちの研究が進むことが第一だと思うんだよね。今二カ国目だけど、結構収穫もあったよ」

 全裸の女性が走り回ってたのは災難といえるけど……。

『そう。なるべく早く帰ってきてね。あの子も寂しそうにしてたから』

「変わってはくれないんだね」

『それは親として失格でしょ』

 そうなのか、そうなのかな?

 わからない。わからないけども、

「なるべく速く帰るようにするよ」

 愛してると最後に口にして、通話は終わった。

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研究旅行 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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