第7話 取引
「おい、蒼井!」
生徒会室からでていくと、後ろから声がかけられた。
「お前、泉さんを奴隷にし、ずるして生徒会長にとり入るとかやってて恥ずかしくないのか」
いきなり全く事実ではない件で罵倒された零だった。
「お前、あいつに何言ったんだ?」
香織にのみ聞こえる声で囁いた。
「公開告白されたので『私は零様の下僕ですので無理です』と断っただけです」
「下僕って男の従者を指すんだぞ、日本語大丈夫か?」
「それより彼の方がまずいのでは?従者を奴隷と勘違いしていますよ。」
「無視をするなッ!!」
樹は入学初日こそあんないいやつを演じていたが、実際は
「お前に決闘を申し込む。俺が勝ったら、泉さんを解放しろ。」
そう言うと足早にさっていった。
◇◇◇
「楪ちゃんは行かなくていいんっすか?」
いまだにここから出ていかない楪に問いかけた。
「あなたに用事があるので。あなたの固有魔術はなんですか?」
「そう思った理由はなんすか?」
「だって伊集院君に結界魔術がないって決めつけてたじゃないですか。解析系の固有魔術があると踏んでるのですが?」
固有魔術とは、属性魔術にはないその人自身が発現させた魔術の総称である。
「ふぅん、なるほどっす。ま、言う訳ないんっすけど」
「炎の
楪がいきなり遅延魔術でストックしておいたものを放ったが
「はぁ、面白いことしてくるっすね。」
楓威は歯牙にもかけず、相殺した。
「なるほど。結界魔術ですか。」
「今ので分かったんすか?」
「えぇ、あなたの固有魔術は予想通り解析系。
私の魔術を防いだのは、結界魔術それも固有魔術のお陰。同等の力じゃないと周囲に被害が及ぶ。それをさせないために固有魔術を使ったってところですね」
そういって退室していった。
「ふぅん、間違いではないんすけどそれだけじゃないんすよ、楪ちゃん」
◇◇◇
翌日、授業をサボって零と香織は生徒会室にきていた。
「授業をサボるとは悪い子っすね、なんのようっすか?」
「そっちもサボってるじゃないですか。それより彼女を紹介して欲しいのですが、昨日居られませんでしたよね?」
かなり美人な女性がいた。
「彼女は生徒会副会長さんっす。昨日は、用事だったそうっす。彼女のことはいいんすけど、どうやって生徒会室にいるのを知ったっすか?」
「固有魔術ですよ。俺は
そういって黒いモノを操ってみせた。
「ふぅん。それ零君のじゃないっすね?香織ちゃんのっすか?」
「えぇ、そうですよ。」
《影》は特に暗殺と探知に向いている。
よって、それを持っている香織だけ送ればいいにもかかわらず、零も一緒に送ったので聞いたのだ、「それだけじゃないですよね」と。はぐらかされたわけだが。
「ふぅん。ま、早く本題に入るっす。そっちも早く授業に戻らないといけないし、」
「要件はただ一つ、こちらに協力してほしいのです。」
そういって楪と任務、して欲しいことなど、包み隠さずはなした。
「ふぅんそれもうちに話して大丈夫な内容なんすか?」
「バレなければ大丈夫ですよ。それともいいふらしますか?」
「いや?話さないっすね。でもそれ受けるかどうかは別っすよ。メリットがない」
「なら、《変質》について教えましょう。
これは、俺しか知らない構成なのですが」
「なるほど…いいっすよ。交渉成立っす」
「いまは時間がないんで、《変質》の話はまた今度で」
その言葉を最後に解散となった。
最強魔術師の暗躍無双 荒井優 @kinokm
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。最強魔術師の暗躍無双の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます