他のクラスメイトが思うこと

バブみ道日丿宮組

お題:許されざる怒り 制限時間:15分

他のクラスメイトが思うこと

 はじまりは、ただのすれ違いだった。

 それもただの通学路。

 生徒たちが学校に向かう道で私たちは出会った。

 会話はなかった。それは当たり前で他人同士があいさつすることなんて普通ない。

 その時の私はクラスメイトにすら挨拶をしなかった。そのため、知り合いはいなかったといってもいいかもしれない。

 だからこそ、いじめは浸透することになった。

 いじめはそんな凄まじいものではなくて、みんなが無視するという程度のもの。会話しないのであれば、無視って言葉は当てはまらないんじゃない。もともといないような人であったのならばなおさらだ。

 ただ他のクラスメイトにとってはそれは異端だったみたい。体育の授業で誰もペアを作ろうとしないことや、文化祭で役割のない人がいることに不可解さを持たれたのがはじまりで、そこからクラスメイトが問いただし、いじめという概念がやっと生まれた。それで終わればある種の美談で終わったかもしれない。

 そう……それでも、いじめは続いた。

 話す内容もないから私としてはどうでも良かった。学校での友好関係は推薦入試には当てはまらない。私だけが出来てれば、試験は受けられる。 

 定期試験は変わらずトップ。教師に当てられた問題は完答。悪いところは表面化してない。

 そんななかでも、やがて他のクラスメイトが教師に話したらしく急遽面談が決まった。

『いじめられてるのか』

 問いただされた言葉は当たり前のことしか発生しなかった。

 私はされてない。気のせいだと伝えると、面談はすぐに終わった。

 そうして、私はまた無視されるだけの日常が始まった。なれればそんなに大変なことではない。プリントは渡されるし、必であることは必ず名前を書かれた。

 問題ない。そう問題なかった。

 

 彼が乗り込むまではーー。


 怒声が舞い、人が飛ぶのを見たのははじめてだった。

 おまけに血飛沫がいたる人に飛ぶなんてありえないだろう。

 それぐらい彼は怒ってた。

 それが私のためだと後に知った時はどう反応したらいいかわからなかった。すれ違うだけの関係だったものが突然隣に立つなんて不思議以外の他に例えようがない。

 後にわかったのは、彼が私を好きだったということだ。

 惚れられる要素がまるでないと思ってた私は意外という感情しかでない。

 それでも私のために怒ってくれたという事実に感謝し、今では一緒に学校へ通うようになった。会話はあまり成立してないのだが、彼はとても嬉しそうだった。

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